臨床応用 2-P14

発作間欠期てんかん性異常波のSAM法による解析

大阪大学脳神経外科、同小児科1
二宮宏智、加藤天美、平田雅之、新居康夫、谷口理章、丸野元彦、今井克美1、小野次朗1、吉峰俊樹

 MEG の新しい解析法である開口合成解析法(synthetic aperture magnetometry, SAM)を用いることにより、頭蓋内に設定した任意の位置における電気活動を高い選択性をもって記録することができる(SAM仮想センサー法)。しかし、その感度や空間分解能についてはなお、不明な点が多い。今回、慢性硬膜下電極を側頭葉底部に設置した症例において、ECoGMEGを同時に測定し、後者における異常波をSAM法により解析し、ECoGで捉えた異常波と比較した。仮想センサーを、硬膜下電極と、平面的にほぼ同じ位置で、脳表より約1cm深部に設定することで、SAM法でも異常波となって捉えられることが多かった。SAM を応用することにより、いわば頭蓋内に仮想電極を設置したかのようにてんかん性異常波を検出できる可能性が示された。