視覚
P8視覚情報処理の感覚間注意による修飾
岩木 直,外池 光雄,山口 雅彦,浜田 隆史
電子技術総合研究所大阪ライフエレクトロニクス研究センター
本研究では9人の被験者に1) 視覚刺激への選択的注意,2)聴覚刺激への選択的注意,3)視覚・聴覚への注意の分割(中立条件),の3条件下での視覚あるいは聴覚刺激に対する位置弁別課題および色/周波数弁別課題を課し,課題遂行中の脳磁界の計測と解析を行った.視覚刺激に対する脳磁界応答に対して,空間フィルタリング(線形制約最小分散フィルタ)法を用いた活動源分布推定を行い,各脳内位置において推定された活動強度について,ANOVAによる上記3注意条件間での統計的有意差の検討を行った.この結果,視覚への選択的注意条件下では刺激呈示後200-300msでextrastriate領域における刺激特徴に依存した有意な活動強度の増加を観測した.これらの結果は,複数感覚間の選択的注意条件下における脳内処理の修飾を,その脳内部位および潜時に関して明らかにしたものである.