自然科学研究機構新分野創成センターイメージングサイエンス研究分野特別企画

「画像科学」夏の勉強会 参加者募集のお知らせ

新分野創成センターイメージングサイエンス研究分野では、生命科学分野をはじめとして広く利用されている画像解析の共通プラットフォームである“ImageJ”を主な題材にして、画像の高度解析へのさまざまなアプローチを深く議論する勉強会を開催します。本会は豊かな自然に囲まれた核融合研の施設をお借りして4日間の合宿形式で行われます。原則として1研究室から1名程度で全日程参加できる方を対象とします。


日程:平成24年9月25日(火)午後1時半(多治見駅午後1時発のバスを想定) 〜 28日(金)午前

場所核融合科学研究所(岐阜県土岐市) シュミレーション科学研究棟1F102会議室  バススケジュール

宿泊ヘリコンクラブ 食事:土岐っ子

募集定員:20名前後

応募資格:画像科学、特にImageJを使った画像解析に関心のある学生や研究者で全日程参加できる方。

参加費用と支援:当日宿泊・食費(約18,000円)が必要です。後日口座振り込みで返金します。
        現地までの交通費と懇親会費は実費となります。

参加に必要なもの:印鑑(サイン可)、筆記用具、諸費用、下記ソフトをインストールしたラップトップPC
         (ワイヤアレスネットワーク利用可)

1) ImageJ
2) Fiji
3) Scale 2.9.2
4) Micromanager

応募方法こちらから応募フォームを送信してください。〆切り:8月31日

選考:本会世話人により申請書類、分野間のバランス等を考慮して行い、申請者全員に可否を通知します。



プログラム

25日(火) 午後   受付と入所手続き
  13:30~  
       
  14:00~ 開会のあいさつ
    L1 ImageJのチュートリアル 基礎からマクロの書き方まで(1) 
三浦 耕太(EMBL Heidelberg)
~17:00 ImageJは無料で誰もがすぐに使うことのできる画像処理・解析ソフトである。GUIを使ったマウスのみによる操作からJavaプログラミングによる機能の追加、クラスタを使った大規模な計算まで幅広い使用が可能であること、数多くの研究者・開発者が関わっていることなどから、生物学研究者にとってその習得にはさまざまな利点がある。今回はドイツのEMBLで年に二度ほど開講しているチュートリアルを行う。このチュートリアルは、生物系の院生・ポスドク・研究者の多くが画像処理・解析を学んだ経験をもたない一方、イメージングが日常的になっている研究の現場でとりあえず困らないための実戦的なクラッシュコースとして始まった。直観的な理解をなによりも重視している。デジタル画像を扱うための基礎的な知識から細胞の動画像の処理と解析、マクロをつかったスクリプトの書き方の初歩までを各自が手を動かしながら学習する。こうした手段にすでに熟練している方には、物足りない内容になるかもしれない。
     
L2 ImageJのチュートリアル 基礎からマクロの書き方まで(2) 
18:30~ 三浦 耕太(EMBL Heidelberg)
  ~21:30  
       
26日(水) 午前 L3 ImageJのチュートリアル 基礎からマクロの書き方まで(3)
9:00~ 三浦 耕太(EMBL Heidelberg)
~12:00  
     
午後 L4 定量解析のためのバイオイメージインフォマティック概論
14:00~ 小林 徹也(東京大学 生産技術研究所)
~17:00 バイオイメージングの技術はこの10年ほどで目覚しい発展を遂げ、エンドユーザーにも使いやすいシステムも多数コマーシャルに販売されてきた。その結果として、多量のイメージング計測データを取得することが比較的簡便になってきている。対応して、イメージングデータが持つ膨大な情報から必要な要素を抽出するバイオイメージインフォマティクスの重要性も特に最近高まってきている。しかしながらバイオイメージングと比較し、バイオイメージインフォマティクス分野における研究やツールの情報はネット上に個別に散在していて、まとまった情報を初学者が得ることは難しい。ここでは、バイオイメージインフォマティクスに必要となる基本知識(ソフトウェア環境、情報源、etc) などを紹介すると共に、バイオイメージインフォマティクスにおける近年のトレンドおよび技術的な進展について概説する。後半では、2次元細胞同定や3次元核同定などを例として、具体的な画像解析のプロセスなども紹介する予定である。
     
L5 バイオイメージの高速画像処理
18:30~ 舟橋 啓(慶應義塾大学 理工学部)
  ~21:30 近年、バイオイメージの定量解析において高速な画像処理の必要性が高まってきている。 これは、2次元の画像から細胞や組織を認識するための画像処理が複雑であること、 測定技術の向上により深さ方向の解像度や時間解像度が向上することで処理すべき データが急増しているなどの理由による。 ここでは、バイオイメージの高速化について、主にGPGPU(General Purpose Computation on Graphics Processing Unit)を例に挙げ、高速化のポイント、実装上気をつけるべき点など について紹介する。
       
27日(木) 午前 L6 輝点自動検出・追跡ツールの開発
9:00~ 新井 由之(大阪大学 産業科学研究所)
  ~12:00 蛍光1分子の輝点動画やそれに類似する画像を得た時に、まず試みてみたいことは、これら輝点を自動的に検出し、位置座標等の各種時系列データを求めることではないだろうか。これまでも有償あるいは無償の優れた輝点追跡ツールが各種開発され発表されてきた。しかしながら、有償のツールは非常に高価である&Windowsのみ対応の場合が多いし、無償のものも基本的に開発者の興味にフォーカスした内容となっており、求める機能・応答を搭載していないことがある。今回、私が作成したImageJ上で動く輝点検出・追跡pluginを題材として、どのようにして輝点の検出を自動的に行い、追跡をし、各種時系列データを得るか、という点に着目し解説を行う。また、Java Native Interface(JNI)の利用法についても解説し、Javaのみでは時間のかかる処理の高速化法について紹介する。できるだけ平易に説明することを努めるが、ImageJのAPIやC言語についてある程度の知識があれば望ましい。
       
  午後 L7 ImageJ におけるプラグイン開発: Scala 言語を用いて
14:00~ 朽名 夏麿(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻)
~17:00 画像処理ソフトウェア ImageJ はマクロやプラグインを書くことによって比較的容易に機能の拡張ができる.このうちプラグインに関しては,マクロ作成に比べると手軽さでは若干ひけをとるが,実行速度,再利用のしやすさ,機能拡張性といった点で優る.また Java 言語だけでなく Java プラットフォーム上で利用可能な各種言語から目的や好みに合うものを使うことができることも利点である.本セッションではbetter Java として Scala 言語によるプラグイン開発について紹介するが,その内容の多くは ImageJ でのプラグイン開発全般で共通したものである.また, ImageJ プラグインを用いた画像処理の実例としては,生物画像の自動分類をとりあげる予定である.
     
L8 顕微鏡画像取得と画像処理をいったりきたり
18:30~ 塚田 祐基(名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻)
  ~21:30 生物学の実験における画像取得や画像解析は、きれいな画像が撮れればよい、既存の画像から何か情報を抽出すればよい、といった閉じた話だけでは終わらない。目的に応じて画像取得の方法は変えることができるし、撮れる画像の性質に応じて画像処理を工夫することで、それまで得られなかった情報を得ることができる。実験者が画像取得から解析までの流れを俯瞰的に考えることで、既存の実験では得られない観測情報を取得することはしばしば可能で、これは研究において重要な要素である。これらのことを念頭に、ImageJ上で動く顕微鏡制御ソフト、micro-managerによるイメージング実験の制御と、それにより広がる画像解析について紹介する。
       
28日(金) 午前 L9 顕微鏡動画像処理が可能にする細胞・多細胞動態研究の可能性
9;00~ 大浪 修一(理化学研究所 生命システム研究センター)
      動的な現象を理解するためには定量的な解析が必須である。生細胞イメージングと画像処理を組み合せた細胞や多細胞の動態の定量計測は、時間的空間的に動的である細胞活動や多細胞生物の発生の理解を目指す生命科学の領域において、近年急速にその重要度を増してきている。本講演では、我々のこれまでの研究例を中心に、生細胞イメージングと画像処理を組み合せた4次元細胞分裂動態計測等の様々な細胞・多細胞動態の定量計測方法を、それにより可能となった細胞・多細胞動態についての新たな解析手法とともに紹介する。更に、バイオイメージ・インフォマティクスの国内外の現状を紹介し、今後の展望について議論する。
       
    L10 まとめと閉会 
  ~12:00  
      昼食・解散:JR多治見駅行きバス1:35pm発
       

 

ImageJを取り上げたことについて

画像科学研究では、さまざまな研究者が独自のプログラムでアルゴリズムを発表するため、自分が解析したい画像データにそれらを効率よく適用するのが難しく、結果としてせっかく開発されたアルゴリズムも広く使われることなく終わってしまうという問題がしばしば起こります。 ImageJはアメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたJavaをベースとしたオープンソースの画像解析ソフトウエアです。ImageJ を使えばこの問題はある程度解決でき、データ作成側とアルゴリズム開発側の間に見られるギャップを小さくするのに役立ちます。また、Image J をとっかかりにすることで、研究分野を越えて画像科学共通の問題も具体的に議論しやすくなると考えられます。 そこで、今回は欧州分子生物学研究所(EMBL)で行われているImageJのハッカーマラソン(ハッカソン)を手本にして、国内外で活躍しておられるImageJの専門家を一堂に集め、個々のテーマについて深く理解し、さらに日本の画像科学の将来についても議論し合えるような合宿形式の勉強会を企画しました。この勉強会を通して、国内において画像科学ソフトウエアに対する理解がより一層深まることを期待します。
                                               世話人より

 

講師プロフィール

L1-3 三浦 耕太(Kota Miura)Scientist & IT Engineer
 miura @ embl.de
 Centre for Molecular and Cellular Imaging, European Molecular Biology Laboratory
 (Heidelberg)
 http://cmci.embl.de
L4 小林 徹也(Tetsuya J. Kobayashi)准教授
 tetsuya @ mail.crmind.net
 東京大学 生産技術研究所
 http://research.crmind.net
L5 舟橋 啓(Akira Funahashi)准教授
 funa @ bio.keio.ac.jp
 慶應義塾大学 理工学部
L6 新井 由之(Yoshiyuki Arai)特任助教
 araiy @ sanken.osaka-u.ac.jp
 大阪大学 産業科学研究所 永井研究室
L7 朽名 夏麿(Natsumaro Kutsuna)助教
 kutsuna @ k.u-tokyo.ac.jp
 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻
L8 塚田 祐基(Yuki Tsukada)助教
 名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻 生体構築論講座 分子神経生物学グループ
 tsukada.yuki @ nucc.cc.nagoya-u.ac.jp
L9 大浪 修一(Shuichi Onami)チームリーダー
 sonami @ riken.jp
 理化学研究所 生命システム研究センター
 http://www.qbic.riken.jp/japanese/research/outline/lab-06.html

世話人プロフィール

代表 村田 和義(Kazuyoshi Murata)准教授
 kazum @ nips.ac.jp
 生理学研究所 脳機能計測・支援センター 形態情報解析室
 www.nips.ac.jp/struct
  伊藤 啓(Kei Ito)准教授
 ito @ cudo.jp
 東京大学 分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野
 http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/lab/
  大舘 暁(Satoshi Ohdachi)准教授
 ohdachi @ lhd.nifs.ac.jp
 核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 高温プラズマ物理研究系
  藤森 俊彦(Toshihiko Fujimori)教授
 fujimori @ nibb.ac.jp
 基礎生物学研究所 発生生物学領域 初期発生研究部門
  武田 隆顕(Takeda Takaaki)特任助教
 takedatk @ cfca.jp
 国立天文台天文 シミュレーションプロジェクト
  木森 義隆(Yoshitaka Kimori)特任助教
 y.kimori @ nao.ac.jp
 自然科学研究機構 新分野創成センター イメージングサイエンス研究分野
 

本会に関するお問い合わせ

     全般:村田和義(kazum @ nips.ac.jp)、事務手続き:河口美江(yoshie @ nips.ac.jp)まで


主催:自然科学研究機構 新分野創成センター イメージングサイエンス研究分野


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Updated by KM, 8.16.2012