平成17年度 「第4回ニューロサイエンスワークショップ in 九州」


 

日時
2005年12月9日(金)〜12月10日(土)
会場
レイクサイドホテル久山 (福岡)

 

 

「第4回ニューロサイエンスワークショップ in 九州」レポート

久留米大学医学部薬理学講座
西 昭徳

「第4回ニューロサイエンスワークショップ in 九州」が、統合脳とブレインサイエンス研究会の共催にて12月9-10日の2日間、福岡のレイクサイドホテル久山にて開催されました。ブレインサイエンス研究会は九州エリアのメンバーを中心に構成されており、研究テーマに関して徹底的に討論を行うこと、討論を通じた研究者間の密なネットワークを作ること、若手研究者に発表・討論する場を提供することを目指して活動を行っています。第3回までの「ニューロサイエンスワークショップ in 九州」は総合脳の支援を受けて開催されましたが、今回、統合脳にご支援いただき4年ぶりに国際ワークショップを開催することができました。
 ワークショップでは、海外からの若手講師2人による招待講演、国内の第一線研究者による一般講演(7演題)、大学院生によるポスター発表を行いました(詳細はプログラムをご参照ください)。若手研究者の演題を募ったため、演者はすべて自ら実験を行っている若手研究者で構成されています。海外からの招待講師であるDr. Svenningssonはカロリンスカ研究所の分子神経薬理学部門のラボヘッドであり、最近Scienceにアクセプトされた「うつ病におけるp11の役割」について話してくれました。また、Dr. Hallworthはノースウエスタン大学で電気生理学的研究に取り組む研究者であり、視床下核-淡蒼球神経ネットワークに関する最近の知見を紹介してくれました。詳細には触れませんが、国内の若手研究者(九州4名、他地域3名)による一般演題(各30分)も発表および討論ともに充実したものでした。
 海外からのゲストを招待して国際ワークショップとして開催することができたため、発表および討論はすべて英語で行いました。基本的な質問から本質に迫る討論まで、英語で問題なく行うことができました。大学院生のポスター発表も英語で頑張ってくれました。発表はどうにかなっても、英語での質疑応答にはかなり苦労していたようです。サイエンスの世界で活動する上での英語力の必要性を実感してくれたことと思います。
 このワークショプにおいて、世界のトップレベルの研究発表について討論し、参加した研究者間の交流を深めることができました。参加者の皆さんは、1ランク上の研究を目指すことを決意して研究室に帰られたことと思います。このような小規模の国際ワークショップは学会以上にインパクトが強く、私たちのよい刺激となります。ワークショップを継続して開催することにより、参加者個人のレベルアップ、さらには、九州エリアの脳研究の推進につながると思われます。その意味において、統合脳による国内巡回シンポジウム開催が大きな役割を果たすことは間違いありません。


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ニューロサイエンスワークショップ in 九州プログラム (PDF 0.5M)