ASCONE 06

日本神経回路学会 オータムスクール
開催報告


 

日時
2006年11月23-26日
会場
伊豆高原 ルネッサ赤沢

 

 

日本神経回路学会/ 統合脳/ DEX-SMI のサポートを頂いて、昨年11月23-26日の4日間にわたりオータムスクールAutumn School for Computational Neuroscience(ASCONE06)を、伊豆高原にて開催した。神経科学に対する数理的アプローチの基本から最新を、比較的研究を始めたばかりの学生、特に学部生から修士までを中心に紹介することで、これからを担うであろう学生を脳科学分野全体にリクルートすることを主旨とした。
プログラムは、若手研究者による講義・演習・発表を5テーマで3日間行い、最終日に特別講演を行うスタイルで行った。初日に「心理物理学入門:まずは体を動かそう」と題して産業技術総合研究所の山本慎也に、2日目にATR 脳情報研究所の神谷之康先生から「ベイズで読み解く知覚世界」と題して視覚心理実験の数理的説明の入門を、東京大学の渡辺正峰には、視覚的意識研究の意義・基礎から最先端の自身の研究まで、3日目は神経経済学入門と題して玉川大学の酒井裕と鮫島和行が、報酬と意思決定に関わる理論から実験までの講義とそれに関連する演習・学生自身による発表を行った。また、最終日には、ATR 脳情報研究所の川人光男先生、奈良先端大学院大学の石井信先生に特別講演をいただいた。
学生は広く全国から公募し、学部2年生からポスドク・社会人まで、背景とする分野も医学・生物系ばかりではなく、心理・理学療法・情報・数学・物理・経済まで多彩な分野からの74名の応募があり、作文から「意欲」と「脳科学に対する興味」を基準に37 名の学生を選抜した。学生の中からすでに数理的アプローチで研究をしている大学院生を、またポスドクを中心として10 名のチュータを学生の中に配し、演習講義と議論の火付け役を担ってもらった。意欲を重視した点数配分にしたことが功奏し、このスクールでめざした「ただ最新の知見を講義によって吸収するだけでなく、自ら考え手を動かし、発信・議論することでより理解を深め、神経科学への数理的アプローチの考え方・面白さを実感する」ことに積極的参加する非常にモチベーションの高い学生に参加いただけた。講義をする側も、鋭い質問や思いもつかなかった考え方を投げかけられたりと、非常に多くの刺激に満ちた4日間となったと感じている。
また、何人かの学生参加者、特に学部生を中心に参加記を書いていただいた。学生側から見たスクールの雰囲気を実感いただけると思う。

ASCONE 06 開催報告 (PDF 0.2MB)

 


山本慎也(産総研)
渡辺正峰(東京大学)
酒井裕(玉川大学)
鮫島和行(玉川大学)

 


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