(所属領域)   第一領域・計画班員

(氏名)     丹治 順

(所属・職名)玉川大学学術研究所       

      脳研究施設・教授   

(電話) 042-739-8667

FAX 042-739-8663

(E-mail) tanji@lab.tamagawa.ac.jp

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(メッセージ)

随意運動が如何に発現し、制御されるかを知ろうとする研究は、高次脳機能のシステム的研究の重要部分を占めています。当研究室では、高次運動野と前頭前野の働きを解明する研究を進めています。高次運動野は行うべき行動を決定し、それを企画・構成し、準備する過程に関与しますが、それぞれの領域には特有の役割のあることがわかってきました。最近の研究では、目的を指向した行動の発現や調節はどのようになされるか、複数の異なる動作をどのような順序で制御し、目的を達成するのか、そのような機能メカニズムを解明しようとしています。他方、前頭前野と高次運動野が行動発現と制御の過程において、認知情報や記憶情報をどのように抽出し、操作し、行動発現に利用するかという問題も解明しようとしています。

 細胞活動解析法による生理学的研究を主体としますが、今後は計算論的脳研究や、神経心理学的研究分野の研究者との連携と共同研究を進める方針です。以下、ご参考までに最近の論文から・・・

Sawamura, H., Shima, K., Tanji, J. Numerical representation for action in the parietal cortex of the monkey. Nature.  415:918-922, 2002

Saito N, Mushiake H, Tanji J. Representation of immediate and final behavioral goals in the monkey prefrontal cortex during an instructed delay period. Cereb Cortex 15:1535-1546, 2005

Hoshi E, Sawamura H, Tanji J. Neurons in the rostral cingulate motor area monitor multiple phases of visuomotor behavior with modest parametric selectivity. J Neurophysiol. 94:640-656, 2005

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

霊長類の行動下での細胞活動解析法が研究の中心ですが、蛍光物質等のトレーサーや免疫組織科学的手法で脳の微細な回路網を検索したり、生理活性物質を局所微量投与するなどして、脳細胞の生理機能の基盤となっているリセプターの働きを調べる手法も採用しています。さらに、機能的MRIを活用したヒトの脳活動の解析も可能です。

 当教室で、サルの脳細胞活動解析を行う研究を体験し、将来の研究に活用したい研究者のために、インターンシップを実施しています。6ヶ月以上滞在してじっくりと取り組むことが可能な方は連絡してください。