(所属領域)    第一領域・公募班員

(氏名)      本間 さと

(所属・職名)北海道大学大学院医学研究科統合生理学講座・

 助教授 

(電話)011-706-6058

FAX011-706-7871

(E-mail) sathonma@med.hokudai.ac.jp

URLhttp://www.med.hokudai.ac.jp/~phys-1w/

(メッセージ)ほ乳類では、視床下部視交叉上核の生物時計が、約24時間の固有周期のリズムを発振するとともに、網膜からの光刺激に同調し、全身の末梢時計の位相を調節しています。細胞内では、複数の時計遺伝子の転写と、蛋白産物による転写抑制の自律フィードバックループが、サーカディアンリズム発振する分子時計であると考えられます。この様に、生物時計は分子・細胞レベルのリズムから、睡眠覚醒やホルモンリズムなど全身の機能への統合が可能な、脳の統合機能の優れた実験システムでもあります。本研究班では、単一視交叉上核細胞から、できるだけ多くの情報をできるだけ同時に測定して、固有の周期をもつ個々の視交叉上核神経細胞が、全身の時計を支配する脳内中枢時計となるメカニズムの解明に努めます。このため、生物発光レポーター、蛍光レポーター、マルチ電極アレイ、等のもてる技術を組み合わせるだけでなく、さらに新規技術を積極的に取り入れて、長期・多機能記録にチャレンジしながら、生物時計の謎の解明に迫るつもりです。

1) Nakamura,W., Honma,S., Shirakawa,T. and Honma,K. Clock mutation lengthens the circadian

period without damping rhythms in individual SCN neurons. Nature Neurosci.

5:399-400,2002.

2) Honma,S., Kawamoto,T., Takagi,Y., Fujimoto,K., Sato,F., Noshiro,N., Kato,Y. and Honma,K.

Dec1 and Dec2 are regulators of mammalian molecular  clock.  Nature 419:841-844, 2002.

3) Honma,S., and Honma,K. Biological Clock; Ca2+ links pendulum to hands. Trends in

Neurosci. 26:650-653,2003.

4) Nakajima,Y, Ikeda,M, Kimura,T, Honma,S, Ohmiya,Y and Honma,K. Bidirectional role of

orphan nuclear receptor RORalpha in clock gene transcriptions demonstrated by a novel

reporter assay system. FEBS Lett. 565:122-126, 2004.

5) Ueda,H.R., Chen,W., Minami,Y., Honma,S., Honma,K., Iino,M. and Hashimoto,S.

Molecular-timetable methods for detection of body time and rhythm disorders from

single-time-point genome-wide expression profiles. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.101:

11227-11232, 2004.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

長期神経細胞培養(器官培養および分散培養)

マルチ電極アレイディッシュ(MED)を用いた細胞外電位の長期連続測定解析

ex vivo培養神経組織における生物発光レポーターを用いた遺伝子発現モニタリング

複数遺伝子発現の同時モニタリング

マウス・ラット・ヒト行動リズム測定解析(マウス・ラットは回転走行および赤外線感熱センサー使用、ヒトは居住型時間隔離実験室4室を有する)