写真1BDNF強制発現細胞(緑)の周囲で上昇するGAD発現(赤)

写真2海馬培養切片中にレンチベクターで疎に発現させたGFP

(所属領域) 第一領域・公募班

(氏名)   山田麻紀 (Maki K. Yamada

(所属・職名) 東京大学・大学院薬学系研究科

薬品作用学教室・講師 

(電話)03-5841-4784

FAX03-5841-4786

(E-mail)

 maki@mol.f.u-tokyo.ac.jp

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(メッセージ)

高校時代に生物系研究者になろうと決めて以来、20年がんばってきましたが、まだまだ未熟さと、やりたい研究とのバランスがとれず、歯がゆい思いをしています。しかし「日々勉強、一生勉強」を、仕事としてできる幸運を噛みしめつつ、少しずつでも向上して行きたいと思っています。

研究上の関心事は、同種神経細胞群中の個々の細胞の機能的分化です。たとえば、同じ海馬CA1錐体細胞でも、発火するのは10%程度という報告もありますので、そこに優先的に情報が保持されていくでしょう。可塑的な変化に伴って、情報を保持している細胞と休んで待っている細胞の間に差が出てくるはずですので、それを分子科学的に捉えたいと思っています。当面は可塑的な変化のひとつのモデルとしてウィルスベクターを用いてBDNFなどIEGを強制発現したときの発現細胞の変化を見ていきます。将来はTGKIでのレポーターを使っていきたいです。

生理学的に重要な実験手法を柔軟に応用することと、実験確度をあげるための分子科学(免疫染色、遺伝子解析、遺伝子発現、遺伝子工学)の応用との組み合わせ方を模索中です。GFP-Creの発現ベクターも構築中ですので、共同研究できれるかたがいらっしゃれば幸いです。

研究室の20人以上の学生さんたちをいかに一人前にするかという問題意識も強くあります。研究室内で多様な手法が動いていること(分子発現から、スライス培養、イメージング、スライスさらには生体内の電気生理、行動・学習解析まで)の強みを生かして、多角的な視野を持ち、考えることのできる研究者を育てたいと思っています。

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

神経毒性が少なく発現効率のいいレンチウィルスによってBDNFなどの発現実験をしています。レンチでIRESはうまく働かないようで蛍光たんぱく質との共発現に苦労しましたがP2Aペプチド系では最近成功しています。発現系として、スライスカルチャーの他、脳実質内投与も行っています。過去にはジーンガンなどもノウハウの蓄積があります。分散培養では、リン酸カルシウム法変法、リポフェクションを主に使っています。どれもコツがあるようです。公開可能。