(所属領域) 統合脳          

(氏名) すぎはら  いずみ

       杉原 泉

(所属・職名)  東京医科歯科大学・大学院・

システム神経生理学分野         

(電話)

03-5803-5153

FAX

03-5803-5155

(E-mail)  isugihara.phy1

@tmd.ac.jp

URLhttp://www.tmd.ac.jp/med/

phy1/summary.html

(メッセージ)

齧歯類では、小脳皮質の縞模様状の部分に発現している物質が何種類か知られている。われわれは、その代表であるaldolase C (=zebrin)に対する抗体を作り、小脳の連続切片に対して、ルーチンにこの抗体を使った免疫染色を施して縞模様を発色させることができるようになった。専門外だった抗体作製が可能になったのは、この特定領域研究の前身の時に、親切に教えてくれた人(久保先生)に出会えたおかげである。

われわれはこの縞模様を小脳の地図として用い、小脳の入出力線維の投射パタンをこれと関連づけて解析し、小脳の機能構築を解析している。縞模様の中で、negativeの部分は主に体性感覚(を利用した運動制御)に関係し、positiveの部分は主に前庭系、視覚系、上丘、中脳、大脳(を介する運動制御)に関係するというのが、今までの結論である。さらに研究を発展させて、これまでの、原小脳・古小脳・新小脳というような古典的な(分かりにくい)小脳の機能区分の理解を更新し、小脳の機能の理解に貢献したいと思っている。

aldolase Cの縞模様に関しては、上のような小脳の機能区分との関係という見方の他に、@齧歯類以外の高等哺乳動物や下等脊椎動物でも存在するものなのかどうか、Aaldolase Cが発現するかしないかがPurkinje細胞の機能にどのように関わるのか、Bどのようなメカニズムで縞模様が形成されるのかというような、別の立場の問題も存在する。このような、問題に対しても、取り組みのきっかけになるようなヒントが得られないか期待している。

 

 

図:ラット小脳の縞模様(抗aldolase C抗体による染色)

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

抗体:anti-aldolase C antibody

連続切片の効率的免疫組織染色法

連続切片からの単一軸索再構築法

連続切片からの神経終末分布領域等の三次元的再構築法

微量トレーサー注入法