(所属領域) 第1領域・公募班員

(氏名)  田端 俊英

(所属・職名)  大阪大学大学院医学系研究科

          細胞神経科学・助手

(電話)06-6879-3581

FAX06-6879-3589

(E-mail) ttabata@cns.med.osaka-u.ac.jp

URL                    

http://web.kanazawa-u.ac.jp/%7Emed05/

(メッセージ)

 昔から漠然と『ヒトはどのようにしてものを考えているのか?』という問題に興味を抱いており、大学入学時には問題解決の糸口を見つけるべく文学部哲学科ゼミに出入りしておりました。しかし折からの認知科学ブームなどもあり、『遂にヒトの情報処理が実験科学の俎上にのぼる時代が到来したのだ』と発奮、阪大人間科学部に転部し脳波(事象関連電位)を用いた生理心理学的な研究に取り組みました。やがて興味はよりミクロなメカニズムに向かい、大学院・ポスドク時代は網膜神経節細胞をモデルとしてニューロンのシナプス後情報処理の問題に取り組みました。とくにパッチクランプ実験とコンピューター・シミュレーションにハマり、イオン電流がどのように視覚情報を活動電位発火パターンに符号化しているかを探求するとともに(J.Neurophysiol. vol. 75, 87など)、細胞内亜鉛イオンによって制御を受ける新しいタイプのイオン電流を見出しました(J.Neurosci. vol. 19)。UC, Davis留学中に参加した北米神経科学会大会で狩野方伸先生の知遇を得、1997年以来、理研〜金沢大〜阪大(本年6月より)と狩野研スタッフとして研究を続けています。従来テーマの一環として小脳プルキンエ細胞の代謝型グルタミン酸受容体のシグナル機構について解析を進める一方(PNAS vol. 101, Mol. Cell. Neurosci. vol. 20など)、新たなテーマとして単一ニューロンの神経活動が神経回路ネットワーク全体の形成にどのように寄与しているかについて取り組んでいます。今回は後者のテーマで特定領域に採択して頂き大変光栄に思っております。単一ニューロンの神経活動を操作する方法としてレンチウイスルやトランスジェニックマウスなどの遺伝学的テクニックを導入する計画なのですが、小生自身はこれまで遺伝子を弄った経験が全くなく、金沢大COEプログラムの平井宏和先生や山田伸明先生の指導を受けつつ手探りで研究を進めております。このような状況ですので、班員の皆様から実験の進め方などに関してご意見を頂戴できればと考えております。今後ともご指導・ご交誼のほどよろしくお願い申し上げます。

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

超低血清培地によるマウス小脳ニューロンの長期培養:実験見学などによる技術供与可能

培養中枢ニューロンを標本としたパッチクランプ測定

培養中枢ニューロンを標本としたカルシウム・イメージング