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(所属領域) 第一領域・公募班員 |
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(氏名) 伊藤 功 (いとう いさお) |
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(所属・職名) 九州大学大学院 理学研究院 生物科学部門 統合生物学講座 助教授 |
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(電話)092-642-2631 |
(FAX)092-642-2645 |
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(E-mail)
isitoscb@mbox.nc.kyushu-u.ac.jp |
(URL) |
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(メッセージ) 左脳は言語や論理、右脳は音楽や直感などと、人間の場合、左右の脳が機能的に異 なる特徴を持っていることはよく知られている。しかし、左右の脳に『なぜ』そのよ うな機能的な差異が存在するのかについては、実はほとんど解っていない。私たちは 最近、マウスの脳を用いた実験によって、左右の脳が機能的にも構造的にも異なって いることを、世界で初めて分子レベルで明らかにした。 左右が異なるという特徴は 脳だけが持つ特別な性質ではない。たとえば、我々の心臓や胃は体の左側にあり、左 右の肺は大きさや形が異なっている。これら内臓系の左右差を作り出す機構に関する 研究は、近年めざましく進歩しつつあるが、これに対して脳の左右差を作り出す機構 に関しては、ほとんど解っていない。私たちの研究によって、比較的簡単な脳神経回 路の基本的な性質に明確な左右差があり、それを機能的および構造的な分析手段によ って検出できることが明らかになったことにより、これらを『手がかり』として、 (i)脳の機能的、構造的非対称性が何時、どのようにしてできあがるのか。(ii) 左半球と右半球の神経細胞を特徴づけている性質は何か。(iii)左と右という性質 は複雑な脳の構造を作り上げ、それを適切に機能させるためにどのような意味がある のか、等の研究がようやく可能になった。私たちは分子レベルから行動レベルまで一 貫した研究を行える実験系を作り上げることによって、脳の左右差の持つ意味を分子 レベルで明らかにしたいと考えている。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 海馬スライス標本の作成、 海馬スライスカルチャーの作成 ブラインドパッチ法によるシナプス電流の計測 |