(所属領域)    第一領域・公募班員       

(氏名)      酒井 裕 

(所属・職名)  玉川大学工学部知能情報システム学科

 人間情報科学コース・助教授

(電話)  042-739-8400

FAX    042-739-8400

(E-mail)   sakai@eng.tamagawa.ac.jp

URL

http://spike.eng.tamagawa.ac.jp/

(メッセージ)

シナプスで観測された現象,ニューロンで観測された現象,ニューロン集団全体として観測された現象,行動として観測された現象というような様々なレベルで観測された現象を,単に相関を見るだけでなく,結びつけて機能として理解したいと常々思っています.そのためにはモデルベースのアプローチが必要であり,本質をついたモデルの提案とその上で有効な理論を組み立てることを目指しています.

これまでのところ,単一ニューロンのスパイク系列の高次統計からそのニューロンが受け取っている入力全体の時間相関を推定する方法,多細胞同時記録されたスパイク系列の高次相関を回路網の特性として解釈する方法,スパイク時刻依存シナプス可塑性(STDP)にもとづいて形成されるシナプス強度の分布や回路網の性質の導出などを行ってきました.また,確率的な報酬環境における行動決定アルゴリズムと観測される行動の性質との関係も調べています.

私の研究には,ニューロンのスパイク,シナプス可塑性,シナプス強度分布や確率的な報酬環境における動物行動を調べている実験研究者との協力が必須であり,「統合脳」の中で様々な手法で実験されている方々と議論し,その中で共同研究に発展すれば幸いと思っております.

 

関連する論文を挙げます.

Sakai Y, Nakano K. & Yoshizawa S. (2004),

Synaptic regulation on various STDP rules, Neurocomputing 58-60: 351-357.

Sakai Y. (2001),

Neuronal integration mechanisms have little effect on spike auto-correlations of cortical neurons, Neural Networks 14(9): 1145-1152.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

スパイク統計一般の理論と解析技術:

(スパイク間隔統計,スパイク自己相関,スパイク相互相関,多体相関,情報幾何,

相互情報量など)

確率過程論を背景にした確率現象のメカニズムの解明手法:

(シナプス前細胞集団の活動の性質とシナプス後細胞の膜電位の振舞・スパイク系列との関係,スパイク時刻依存可塑性により形成されるシナプス強度の分布など)