(所属領域)   第一領域:公募班員 

(氏名)     藤井 直敬

(所属・職名)
理化学研究所・脳科学総合研究センター
象徴概念発達研究チーム・副チームリーダー    

(電話)048-467-9611

FAX048-467-9645

(E-mail)  na@brain.riken,jp

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(メッセージ)

大学を卒業し、眼科の研修を続けながら、脳の事をより知りたいという思いから丹治教授の教室を訪れてはや10年以上。今まで研究を続けてきて、ようやく自分の進みたい方向性が見えてきました。それは、たった一つの神経細胞活動の発火から始まり、それが寄り集まって脳単体の機能が実現され、そして多数の脳が相互に社会的に連鎖して社会が構成されているという多層的なネットワーク機能のしくみを知りたいという事です。そのようなネットワークは、その構造のあらゆるレベルで、階層を越えて、相互的な影響を与えているはずですが、そのような機能のしくみについてはあまり多くは知られていません。私は、そのような社会構造を含む多層的なネットワーク構造とその操作機能のしくみを、神経細胞活動を基礎として、知りたいと考えています。その為には、可能な限り広い範囲からの脳活動の記録と、詳細な行動の科学的記述、そして環境に関わるあらゆる情報記述の全てを統合した実験手技の実現が必要だと考えています。ここ数年の成果として、慢性多電極記録手技による広い範囲からの脳神経活動の同時記録が比較的簡便に行えるようになりました。また、行動や環境の科学的記述についても、モーションキャプチャ技術の導入により、現実に可能になりつつあります。両者の統合により、実験動物の実験中の行動や脳活動を、つまり、実験動物そのものを、コンピューター上に視覚的に再現できるようになってきました。

今後は、より多くの情報の同時記録とその統合、さらに新しい視点を導入した解析手法の確立が肝要だと考えています。最近は徐々にデータが蓄積されてまいりましたので、基礎的な出来る所から少しずつ解析を始めたいと考えています。

様々な分野の方が集まる「統合脳」では、私どもが想像も出来ない素晴らしいアイディアをいただけるのではないかと期待しています。また、当方でお手伝いできることがございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。喜んで、可能な限りのお手伝いをさせていただきたいと存じます。何卒宜しくお願いいたします。

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

サルを用いた慢性多電極記録手技

モーションキャプチャ技術による行動記録手技

神経活動と行動のリアルタイム可視化技術