(所属領域)   第一領域・公募班員        

(氏名)     大林 茂          

(所属・職名) 放射線医学総合研究所

脳機能イメージング研究開発推進室・主任研究員    

(電話) 043-206-3249

FAX  043-253-0396

(E-mail)     ohbayash@nirs.go.jp

URL

http://www.nirs.go.jp/seika/brain/index.htm

(メッセージ)

皆様こんにちは。

僕が高校生のときは「自分とは何か」「人生とは」という問いを何回も繰り返しては答えが見つからず悶々と過ごしていました。その後医者になり脳外科医のハードな臨床研修の日々を送っていました。脳外科は自我形成や人生の岐路に判断し自らの道を選択決定する「脳」に直接アプローチできる唯一の診療科であると考えたからです。しかし実際診療に携わり痛感したことは理想と現実のギャップでした。医療レベルが向上したとはいえ医療現場で突きつけられたのは「一度壊れてしまった脳は元には戻らない」と「延命第一」いう現実でした。その中で「いったい人間らしさとはなんだろうか」と自問するようになりました。

そのような閉塞感の中、脳研究のチャンス(学位取得のため)が来ました。学位指導をしてくれた先生から2年前に独立し現所属となり今に至っておりますが、これまで一貫して意識してきたことは「動物を用いた基礎研究を通して人間らしさの基礎となる脳機能を深く知りたい」、「病気の克服に貢献したい」という思いでした。

最近、生きた状態と死んだ状態とでは同じ現象(グルタミン酸NMDA受容体脳内分布)でも結果が異なることが明らかになり、生きたまま観察することの大切さを実感しました。我々の研究ツールの主体であるポジトロンCTPET)はまさに生体内現象を生きたまま丸ごと観察できるポテンシャルを持っています。我々の施設はPETだけでなく超高磁場MRIなど豊富な設備を蔵しそれぞれの利点を生かしながら相補的・総合的に研究推進していきます。またげっ歯類、霊長類からヒト、患者まで一貫して研究できる我々の施設は国内外でも極めてユニークな施設です。是非ともご一緒に「人間らしさを齎す高次脳機能の動作原理」の解明と「精神神経疾患の克服」に貢献していきませんか?

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

・動物用PETカメラSHR7700(浜松ホトニクス製)1台

・マイクロPETシステムfocus220(concord社)1台

・臨床用CTスキャン(GE社)

・マイクロダイアリシス法による覚醒下生体脳内神経伝達物質サンプリングHPLC500、HPLC300(エイコム)、生体内試料モノアミン・アミノ酸同時分析システム一式(ESA社)

1.5TMRI(フィリップス社)、3TMRI(GE社;臨床動物共用)、7TMRI(Brucker社;動物用)