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(所属領域) 脳の高次機能システム |
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(氏名) 田中啓治 |
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(所属・職名) 理化学研究所・脳科学総合研究センター 領域ディレクター |
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(電話)048-467-9342
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(FAX)048-462-4651 |
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(E-mail) keiji@riken.jp
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(URL)www.brain.riken.jp/labs/cbms/tanaka.html |
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脳科学の特徴は対象とする脳神経系の深い階層性にあると考えてきました。生体機能高分子からシナプス、細胞、小規模回路を経て、大規模回路、システム、個体・行動に至る対象をどうやって理解するか、これは人類未踏の挑戦である、この挑戦に挑むということに脳科学の独特の醍醐味があると思います。今回、統合脳というオールジャパン研究組織の発足に大きな期待を持っています。 すでに確立した長期記憶は海馬皮質の破壊により失われないので、確立した長期記憶は大脳皮質の連合野を中心としたネットワークに貯えられると考えられています。成熟サルの視覚学習に伴い下側頭葉皮質細胞の入力刺激に対する反応性が変化することは、宮下らによるペアー連合学習を用いた一連の研究(Sakai & Miyashita, 1991など)や提案者のグループによる研究(Kobatake et al. 1998)などですでに示されています。さらに最近ではサルが刺激のカテゴリー区分を学習することに伴って下側頭葉皮質細胞の刺激選択性が変化することが示されました(Shigara
& Logothetis 2002; Baker et al. 2002)。しかし、これらの下側頭葉皮質細胞の反応性変化とサルの学習との関係には不明の点が多くあります。私たちは、いろいろな視覚課題でサルを訓練したときに下側頭葉皮質細胞の反応に起こる変化とサルの行動変化を比べ、視覚物体認識に関わる長期記憶と下側頭葉皮質の神経細胞活動との関係を調べます。まずは、刺激—報酬条件連合の学習が下側頭葉皮質細胞の反応性に与える影響を調べています。
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) サルへの行動課題の訓練と課題遂行中の細胞活動記録 ヒト被験者の機能的磁気共鳴画像法 ともに公開可能です。しかし、技術の習得には半年以上フルタイムで集中する必要があります。 |