(所属領域)   領域2・計画班員

(氏名)     河野 憲二

(所属・職名)京都大学大学院医学研究科

脳統御医科学系専攻・認知行動脳科学分野・教授

(電話)075-753-4675

FAX075-753-4486

(E-mail)  k.kawano@aist.go.jp

URLhttp://www.brain.med.kyoto-u.ac.jp/

(メッセージ)

大学院で研究を始めた頃から、広い視野の視覚刺激の動きによって起こる眼球運動(視運動性反応 – optokinetic response、あるいは追従眼球運動 – ocular following response)と小さい視標の動きを眼で追いかけるときに起こる円滑追跡眼球運動(smooth pursuit)の違いが気になっていました。今までの研究で、この両者の発現に大脳MST野から橋核、小脳を経て脳幹に至る神経回路が関与していることが明かになってきました。今回の「統合脳」の研究では、この両者の発現の違いに取り組んで行きたいと思っています。眼球運動のダイナミクスは、おそらく、いずれの眼球運動でも橋核から小脳を経る情報処理プロセスで生成されると考えられるので、広い視野の視覚刺激の動きと小さい視標の動きを大脳MT野、MST野でどのように処理し、適切な眼球運動をドライブするシグナルを発信しているかを問うことになると思っています。そのため、研究の対象が、今までの運動制御のための情報処理機構の解明よりも、視覚情報処理のメカニズムにウエイトがかかってくると考えています。3年前までは、通産省傘下の研究所に所属していたため、文部省関係の研究には研究協力とか班友等の資格で参加させていただいて来ましたが、今回の「統合脳」では正式な班員として加えていただきました。色々な研究者の方々と出会い、私たちとは異なる観点からの討論をしていただけることを期待しています。

 

(参考)

1. Kawano K.  Ocular tracking: behavior and neurophysiology.  Current Opinion in Neurobiology, 9:467-473,  1999

2. Takemura, A. Inoue, Y. Gomi, H. Kawato, M., and Kawano, K.: Change in neuronal firing patterns in the process of motor command generation for the ocular following response. J. Neurophysiol. 86:  1750-1763, 2001

 

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

 

慢性・覚醒サルでの眼球運動系の実験・神経活動記録、

ヒトの眼球運動の電磁誘導方式及びDouble-Purkinje-Image法による計測