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(所属領域) 脳の高次機能システム |
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(氏名) 福島菊郎 |
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(所属・職名)北海道大学大学院医学研究科・統合生理学講座・教授 |
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(電話)011-7・06-5038
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(FAX)
011-706-5041
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(E-mail) kikuro@med.hokudai.ac.jp
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(URL) 北大脳科学研究者データベース http://niseiri2.med.hokudai.ac.jp/~nokagaku/
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課題名:視標追跡運動における視標の予測値と頭部・眼球運動システムの統合と分解の脳内機構 研究計画:両眼視機能を持つ霊長類では視力の最も良い中心窩を視覚対象に向け続けることにより視覚情報を正確に取り込む。視覚対象が身近の空間をゆっくり動く場合、前額面の追跡眼球運動である滑動性眼球運動と奥行き方向の輻輳運動が使われる。いずれも、視標の運動の予測値により反応時間の遅れを補正し、眼球運動を継続することにより対象像を中心窩に保持しながら連続的に視覚情報を取り込む。さらに日常生活では多くの場合、他動的あるいはアクテイブな頭部の動きを伴ってこれらの運動を空間内眼球(視線)運動として行うので、視標追跡運動の脳内機構を正しく理解するためには、3次元空間での視標の運動の予測値がどのようにして形成され、それが他動的あるいはアクテイブな視線運動、さらに眼球運動の個々のシステムに変換されるか、その信号変換を、脳の領域および機能回路と対応させて理解することが必要になる。これ迄の研究の多くは、頭部を固定した条件下で行われてきた。本研究は、視標追跡運動を3次元性の視線運動として捕らえ、視標運動の予測値の形成と視線運動信号の統合と分解における脳内主要領域(前頭眼野後部領域、補足眼野、小脳背側虫部・片葉領域、さらに小脳から視床への出力ニューロンを含む後中位核・歯状核等)の役割分担を明らかにすることを目指す。そのため、視標追跡運動を、前額面と奥行き方向、頭部を固定した条件とアクテイブに動かせる条件、さらに頭部固定下では、他動的頭部回転刺激と直線加速度刺激を行い、各領域の視標追跡運動に関わる信号の比較と、各領域の不活性化効果の比較を5年間で行うことを計画する。特に、前頭眼野後部領域が担う予測信号と3次元性の眼球運動信号の形成に小脳からの脳内フィードバックが関わる可能性を検証する。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) コンピューターグラフィクスを用いた仮想空間における追跡視標の提示法および前庭刺激(回転、直線加速度)との干渉的呈示法(作成者:Sergei Kurkin) |