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(所属領域) 第二領域・計画班員 |
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(氏名) 渡辺 正孝 |
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(所属・職名)(財)東京都医学研究機構・東京都神経科学総合研究所・参事研究員 |
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(電話)042-325-3881 |
(FAX)042-321-8678 |
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(E-mail)
masataka@tmin.ac.jp
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(URL)http://tmin.ac.jp
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(メッセージ) 大学では文学部心理学科,大学院も人文科学研究科・心理学専門課程で,学位は「文学博士」です。名詞に「文学博士」と書いてあるのを見て,文学博士というとシェイクスピアとか,サルトルとか,古代文明とか,そういう研究をしている人のことを言うのではないですか,とよく人に言われます。たまたま出身が文学部ということで「文学博士」ということになっているだけのことです。なお学位論文は「条件性弁別学習の生理心理学的研究」ということで,心理学と脳科学の統合を目指しました。 もともと「こころ」に興味があって心理学科に進んだわけですが,学部学生の時にゼミで読んだD. O. ヘッブの「Textbook of Psychology」という本が私の進む道を決めました。「心理学テキスト」と名づけてはいますが,この本の中の細胞集成体cell
assembly, 位相連鎖phase sequenceのアイデア,そして勿論現在ヘッブのシナプスで知られる神経細胞間の結びつきの可塑性のアイデアなど,こころの問題を脳の働きにより説明,解明しようとする彼の立場に感銘を受けたわけです。なお,ヘッブのOrganization
of Behavior (1949)(日本語訳:「行動の機構」,1957年,白井常訳,岩波書店)は,出版当時から難解であるという評判の本ですが,日本語訳はそれに輪をかけて難解な訳である,というわけで,(私も含め)多くの研究者がこの本を色々なところで引用はするものの,本当はきちんと読んでこなかったのではないでしょうか。幸い,近日中にこの本の新訳が出版される予定です。私もその翻訳に一枚かんでいるので言いにくいのですが,少なくとも前訳より,そして原文よりはるかに読み易いものになると思いますので,ご期待下さい。 私の研究室では,報酬期待を中心に,報酬情報処理の脳メカニズムを,主に課題を訓練したサルからニューロン活動を記録する,マイクロダイアリシス法による神経伝達物質の変化を捉えるという方法で研究しています。最近の論文を挙げると, Watanabe,
M., Hikosaka, K., Sakagami, M. and Shirakawa, S. Coding and monitoring of
motivational context in the primate prefrontal cortex. Journal of
Neuroscience 22: 2391-2400, 2002. Hikosaka,
K. and Watanabe, M., Long- and short-range reward expectancy in the primate
orbitofrontal cortex. European Journal of Neuroscience, 19: 1046-1054, 2004. Watanabe, M., Hikosaka, K.,
Sakagami, M. and Shirakawa, S. Functional significance of delay-period
activity of primate prefrontal neurons in relation to spatial working memory
and reward/omission-of-reward expectancy. Experimental Brain Research (in
press) |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) サルにおける認知課題の訓練と課題遂行下における神経活動記録, サル,およびラットにおける慢性状態でのマイクロダイアリシス実験 |