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(所属領域) 第二領域・公募班員 |
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(氏名) 関 和彦 |
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(所属・職名)自然科学研究機構・生理学研究所 認知行動発達機構研究部門・助手 |
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(電話)0564-55-7763 |
(FAX)0564-55-7766 |
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(E-mail) kazuseki@nips.ac.jp |
(URL) http://www.nips.ac.jp/hbfp/ |
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(メッセージ) 私の研究テーマは脊髄の神経回路が覚醒動物における感覚や行動の制御にどのような働きをしているかを明らかにすることです。脊髄の神経回路の研究というと「古くさい」という感覚を持つ方が多いのではないでしょうか。それもそのはず、1世紀以上も前から盛んな研究が行われており、そこから明らかにされた種々の神経回路は例えば学生向けの教科書にも詳細に記載されています。しかし、実際明らかにされてきたのは脊髄反射回路の構成機能に限定されています。また(少なくとも私が)最も重要とおもわれる、覚醒動物における感覚や運動の制御において脊髄の個々のニューロンや神経回路の働きは、間接的な推測こそあれ、ほとんど分かっていないのです。そこで、私はサルに手や腕を用いた運動や感覚抽出課題を行わせ、その際の頚随におけるニューロン活動を直接記録する方法を用いて研究を行っています。課題に応じて活動を変化させるニューロンは「何らか」の形で運動や感覚の制御に貢献しているといえるでしょう。私の研究の目標はその“「何らか」の形”を明らかにしてゆくことです。現在は、脊髄においてよく知られている「シナプス前抑制」を引き起こす神経回路が運動課題や感覚抽出課題の際、どのように振る舞うのかを調べています。また今後は、このような脊髄の機能単位が、大脳皮質や脳幹など他の中枢とどのように連携して運動や感覚の制御に関わっているのかについても明らかにしてゆきたいと思っています。電気生理学的手法を主に用いていますが、必要であれば新たなテクニックをどんどん導入しようという意気込みはあります。統合脳の班員の一人に加えていただいたことをチャンスと考え、様々なバックグラウンドを持つの先生方から、一つでも多くを学びたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。 以下は最近の論文です。 Seki K. et al. Sensory input to primate spinal cord
is presynaptically inhibited during voluntary movement., Nature Neuroscience.
6, 1309-1316, 2003. |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 電気生理実験技術全般(慢性実験、急性実験) サルの末梢神経への慢性電極埋め込み(カフ電極) サルの前腕、上腕、手指固有筋群への慢性電極埋め込み手技(3種類) サルの脊椎、頭蓋への記録用チェインバーの装着 上記はサル以外にも適応可能だと思います。興味がおありの方は連絡ください。 |