(所属領域)   第二領域・公募班員

(氏名)     三浦 直行

(所属・職名)  浜松医科大学生化学第二講座・教授    

(電話)053-435-2325

FAX 053-435-2369

(E-mail)

nmiura@hama-med.ac.jp

( URL)

http://www2.hama-med.ac.jp/w1a/bio2/index-j.html

(メッセージ)

 医学部を卒業し、2年間研修医をした後、人間の手足や心臓、肝臓、腎臓などの臓器を生物学的に作れたらいいな、と思い大学院博士課程に入りました。その頃は、まだ再生工学や遺伝子工学もなく、細胞生物学の研究をして学位を取りました。米国留学の時、今で言う「マウスやゼブラフィッシュの飽和突変変異」のような仕事をしている研究室を捜しましたが、そんな研究室はなく、組織特異的な遺伝子発現の制御機構を研究しているラボに留学しました。留学中に、ステロイドホルモン受容体スーパーファミリーの遺伝子が次々と単離され、毎年驚きと感動で年末を迎えました。そして、POUファミリーの単離を間近に見た私は、帰国後大阪大学細胞工学センターにて、器官形成に関わることが期待されるフォークヘッド遺伝子ファミリーの仕事をスタートさせました。最初にクローニングした遺伝子MFH-1(今、Foxc2という統一名になっています)は、ヒト先天性リンパ水腫睫毛重生症候群の原因遺伝子であるという幸運が重なり、この遺伝子は各組織で重要な役割をする多機能遺伝子であることがわかりました。

 2001年に、会話言語に異常のある家系から原因遺伝子FOXP2が発見されました。フォークヘッド遺伝子が専門の私は、とても興味を持ち早速、マウスFoxp2遺伝子やメダカFoxP2遺伝子をクローニングし、言語遺伝子として最初に単離された遺伝子の機能を明らかにしようとマウスやメダカを用いて研究を行っております。ヒトでは言語、動物では音声によるコミニケーションがあると考えられますが、それを担っている脳機能をマウスの発生工学を用いて明らかにしたいと思っております。

 以下、参考までに関連論文を書きます。

(1) 三浦直行:発生・代謝遺伝子として注目を浴びるフォークヘッド遺伝子 蛋白質核酸酵素 49:2558-2570 (2004)

(2) Wang, T. et al.: Forkhead transcription factor Foxf2 (LUN)-deficient mice exhibit abnormal development of

             secondary palate. Dev. Biol. 259, 83-94, (2003).

(3) Ueki,T. et al.: A novel secretory factor, Neurogenesin-1, provides neurogenic environmental cues for neural stem

             cells in the adult hippocampus. J. Neurosci. 23, 11732-40, (2003).

(4) Petrova, T.V.,et al.: Defective valves and abnormal mural cell recruitment as a mechanism for the lymphatic

             vascular failure in lymphedema distichiasis. Nature Medicine 10, 974-981, (2004).

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

ノックアウトマウスを用いた遺伝子機能の解析

トランスジェニックマウスを用いた遺伝子機能の解析

メダカを用いた遺伝子機能の解析

抗体やcRNAを用いた発現細胞の解析