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(所属領域) 第三領域 計画班員 |
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(氏名) 村上富士夫 |
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(所属・職名) 大阪大学生命機能研究科 脳神経工学講座 教授 ・ |
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(電話)06-6879-4655 |
(FAX) 06-6879-4659 |
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(E-mail) murakami@fbs.osaka-u.ac.jp |
(URL) http://square.umin.ac.jp/murakami-lab/ |
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(メッセージ) 大学院生の時にネコの赤核の細胞内記録から研究をはじめて、自分が電気活動を記録していた赤核細胞を細胞内染色で観察したときにはその形態の美しさに感動しました。また赤核に入力するシナプスを電顕で最初に観察したときも同様な感動を感じました。シナプスの可塑性の研究から可塑性が顕著な脳の発達期における可塑性、そして脳の神経回路の発達へと研究が発展(?)してきました。研究にin vitroの標本を使うようになってからは、仮説を立ててそれを検証することのできる研究に新鮮さを感じました。また後脳や中脳の底板の誘引活性の発見が契機になり、それまでの赤核という狭い領域に限られていた研究から脳全体における神経回路形成の基本原理の解明に向けた研究に広がって行きました。いっぽう神経回路形成の研究でGFPトランスジェニックラットの組織の移植片を使っていて偶然に移動する神経細胞を観察し、神経細胞の移動というダイナミックな現象にも興味を抱くようになりました。 In vitroの系を用いる研究は様々な操作をすることができるという利点はありますが、器官培養系を用いたとしてもin vivoの現象を100パーセント忠実に反映させることは出来ません。いっぽうin vivoの系では分子的な操作が容易ではありません。この限界を打破する手段が胎仔への遺伝子導入です。これにより比較的簡単に分子の機能をin vivo標本で研究出きるようになりました。またGFPの遺伝子を導入することにより生きた神経細胞の動態のイメージングが可能になりました。細胞の動態には実に多くの情報が含まれており、その観察はそれまでの方法では予想できなかった現象の発見へと導いてくれます。一度神経細胞を四次元的に観察してしまうと、固定標本で観察で得られる情報がいかに限られたものであることが良くわかります。これからもin vivo標本、あるいはそれに限りなく近い標本で神経細胞を直接、そして四次元的に観察することを大切にしつつ、脳の成り立ちの基本原理を明らかにしていきたいと思っています。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 神経組織の器官培養 in utero, exo utero 電気穿孔による遺伝子導入 神経細胞のreal timeイメージング |