|
(所属領域) 第3領域・計画班員 |
|
(氏名) 狩野 方伸 |
||
(所属・職名) 大阪大学 大学院医学系研究科 細胞神経科学・教授 |
||
(電話)06-6879-3580 |
(FAX)06-6879-3589 |
|
(E-mail) mkano@cns.med.osaka-u.ac.jp |
(URL) http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med05/
|
|
(メッセージ) 私はもともと脳の高次機能に興味があり、学生時代は精神科の医師になろうと考えていました。そのためには、脳の機能を客観的に調べる方法、すなわち生理学がわからなければと思いました。実は、私は講義の中で生理学が難しくてよく理解できず、その様な状態で神経系の臨床に進んでも駄目ではないかと漠然と考えていました。そこで、医学部の4年生のころから生理学教室での英文テキストの輪読会に参加させていただき、急性実験のお手伝いを篠田義一先生の下でさせていただきました。そのうち、生理学が面白くなって(依然として理解はしていなかったと思いますが)、卒業後、伊藤正男先生の教室に大学院生として入りました。ここはきわめて優秀な人たちの集団で、私は自分の能力の無さをあらためて痛感させられました。しかし、幸いにも、小脳のシナプス可塑性研究の初期に遭遇することになり、大変刺激的な大学院時代を過ごすことになりました。それ以来、主として小脳を対象として、シナプスの機能発達や可塑性の機構を研究しています。ここ数年は、同僚に恵まれて、海馬や線条体のシナプスも研究対象にしています。特に、2001年に内因性カンナビノイド(マリファナ類似物質)が中枢の広範な部位において、シナプスの逆行性伝達物質として機能していることを見つけることができ、それ以来、シナプスの機能発達や可塑性の研究に加え、内因性カンナビノイドの研究に力を入れています。学生時代の初心は依然として持ち続けているつもりですので、これらの研究によって、やがてはシナプス機能から脳の高次機能を説明するようなことができればと考えています。 以下、ご参考までに最近の論文から・・・・ (1) Ohno-Shosaku et al. (2001) Endogenous
cannabinoids mediate retrograde signals from depolarized postsynaptic neurons
to presynaptic terminals. Neuron 29: 729–738. (2) Maejima et al, (2001) Presynaptic
inhibition caused by retrograde signal from metabotropic glutamate to
cannabinoid receptors. Neuron 31: 463–475. (3) Hashimoto and Kano (2003) Functional
differentiation of multiple climbing fiber inputs during synapse elimination
in the developing cerebellum. Neuron
38: 785–796. (4) Hashimotodani et al. (2005) Phospholipase Cβ
serves as a coincidence detector through its Ca2+ dependency for
triggering endocannabinoid signal. Neuron 45:
257–268. |
||
(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) ・
小脳、海馬、線条体スライスの神経細胞からのパッチクランプ法による細胞内微小電流・電位記録。 ・
小脳、海馬からの培養神経細胞からのパッチクランプ法による細胞内微小電流・電位記録。 ・
高速共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞内カルシウムの動態解析。 |