(所属領域)   第3領域・計画班員

(氏名)      渡辺 雅彦

(所属・職名)  北海道大学

       医学研究科・教授

(電話)011-706-5032

FAX    011-706-5031

(E-mail) watamasa@med.hokudai..ac.jp

URLhttp://www.med.hokudai.ac.jp/anat-2w                   

(メッセージ)

 研究領域としては、分子の発現局在を追求する分子神経解剖学的研究と、その遺伝子欠損マウスの表現型解析から分子の生理機能を探る形態生物学的研究を2つの柱としています。具体的には、グルタミン酸受容体とその下流のシグナル分子およびグルタミン酸トランスポーターに注目し、小脳における活動依存的なシナプス回路発達の分子機構と取り組んできました。この過程で、小脳プルキンエ細胞に投射する登上線維の形態学的研究法を確立し、種々の病態や遺伝子欠損により生じる登上線維多重支配の形態学的証明ができるようになってきました。その結果、プルキンエ細胞における平行線維と登上線維による神経支配は相互に競合的で、それぞれを特異的な強化分子機構が支援していることがわかりました。今後、大脳皮質体性感覚野の活動依存的な回路発達についても研究を進めていきたいと考えています。

 

最近の論文から

1) Miyazaki, M., Hashimoto, K., Shin H.-S., Kano, M., Watanabe, M. (2004) P/Q-type Ca2+ channel a1A regulates synaptic competition on developing cerebellar Purkinje cells J. Neurosci., 24:1734-1743.

2) Fukaya, M., Kato, A., Lovett, C., Tonegawa, S., Watanabe, M. (2003) Retention of NMDA receptor NR2 subunits in the lumen of endoplasmic reticulum in targeted NR1 knockout mice. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100:4855-4860.

3) Ichikawa, R., Miyazaki, T., Kano, M., Hashikawa, T., Tatsumi, H., Sakimura, K., Mishina, M., Inoue, Y., Watanabe, M. (2002) Distal extension of climbing fiber territory and multiple innervation caused by aberrant wiring to adjacent spiny branchlets in cerebellar Purkinje cells lacking glutamate receptor GluRd2. J. Neurosci 22:8487-8503.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

実験技術はほとんど神経形態学に関係する技術です:in situハイブリダイゼーション、免疫組織化学、電子顕微鏡、神経標識、抗体作成など。

 

リソースと言えるのは、常時作成しているポリクローナル抗体と、各自のテーマと共同研究を区別しないで形態学的研究に従事しているスタッフ・大学院生・医学部学生です。いつもオープンです。