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(所属領域) 第3領域・計画班員 |
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(氏名) 大森治紀 |
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(所属・職名) 京都大学医学研究科 神経生物学領域・ 教授 |
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(電話)075-753-4351 |
(FAX) 075-753-4349 |
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(E-mail) ohmori@nbiol.med.kyoto-u.ac.jp |
(URL) http://www.nbiol.med.kyoto-u.ac.jp |
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(メッセージ) 聴覚情報の特徴抽出と統合機構を解析しています。音には周波数、強弱、始まり終わり等の時間情報など様々な情報が含まれています。こうした音の情報は有毛細胞によって電気信号に変換され、活動電位の時系列信号として蝸牛神経核に伝えられます。この中で周波数情報は蝸牛器官から既に独立した情報として1本1本の聴神経線維に割り当てられますが、時間情報および音圧情報は一連の時系列信号として聴神経で伝達されます。聴神経がシナプスを形成する蝸牛神経核においては、それぞれが独立した神経情報として抽出され、この後は並列した伝導経路によって、より上位の神経核に伝達されます。この過程で左右の聴覚情報が比較され、両耳間時間差(ITD; interaural time difference)および両耳間音圧差(ILD; interaural level
difference)が計算され、やがて下丘においてそれらの情報が統合され、3次元空間地図が形成されます。こうした過程で働く神経回路を、神経細胞とシナプスの働きとして明らかにすることが研究の目的です。聴覚の超能力をもつとされるメンフクロウをお手本にして、我々はヒヨコの脳幹切片標本で実験を行ってきました。ヒヨコでも、幾つかの条件が整えばメンフクロウ並の音源定位能力を獲得出来る事も、論理的には解って来ました。今後はヒヨコのin
vitro脳切片標本での実験と実際に音を聞かせるin vivo実験を組み合わせて解析することにより、聴覚情報が処理され統合される過程を明らかにし、やがては聴覚3次元空間地図が作られる神経回路のメカニズムを具体的に示したいと考えています。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) パッチクランプ法、顕微測光法、細胞培養法 |