(所属領域)第3領域・計画班員

(氏名)   小田 洋一

(所属・職名) 名古屋大学 大学院理学研究科

       生命理学専攻・教授

(電話)

052-789-2978

FAX 052-789-2979

(E-mail)

oda@bio. nagoya-u.ac.jp

URL

http://www.bio.nagoya-u.ac.jp:8001/index2.html                    

(メッセージ)

学部の卒業研究で四足歩行における小脳の制御機構を調べて以来,中脳赤核細胞でのシナプス発芽,キンギョのマウスナー細胞での抑制性長期増強,ゼブラフィッシュ・マウスナー細胞活動のin vivoイメージングなどを手がけてきましたが,広い意味で運動制御のメカニズムが研究対象です.現在は,キンギョやゼブラフィッシュを用いて,逃避運動というもっとも単純な運動のひとつを対象にして,脳の基本構造に基づいたニューロン回路構造と個々のニューロンの運動制御における役割を調べています.

いうまでもなく,非常に多くのニューロンが脳を構成しているのですが,多数のニューロンをつくるには何らかの法則があって,その法則は脳の機能にも反映されているはずですし,試行錯誤の末に最適に近いニューロン間の結合が働いているはずです.そのようなことをおぼろげに考えながら研究を進めています.新しいスタッフの加入とともに,分子生物学的なアプローチも積極的に取り入れて行きたいと考えています.

現時点では脳を精密な機械として解析していますが,どこかで機械を超える(すなわち単純な理解を超えた脳ならではの)現象に遭遇し,そのなぞを少しでも解けるようになれば,うれしいと思っています.

参考文献は以下のとおりです.

Oda, Y., Kawasaki, K., Morita, M., Korn, H., Matsui, H.  Inhibitory long-term potentiation underlies auditory conditioning of goldfish escape behaviour.  Nature 394: 182-185 (1998)

Takahashi, M., Narushima, M., Oda, Y.  In vivo imaging of functional inhibitory networks on the Mauthner cell of larval zebrafish.  J. Neurosci. 22: 3929-3939 (2002)

Nakayama, H., Oda, Y.  Common inputs and differential excitability of segmentally homologous reticulospinal neurons in hindbrain.  J. Neurosci. 24: 3199-3209 (2004)

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

     運動中のゼブラフィッシュから脳ニューロン活動の光学計測(共焦点レーザ顕微鏡を用いて脳ニューロン活動をカルシウム・イメージングし,同時に魚の逃避運動を高速画像解析)

     キンギョの後脳網様体脊髄路ニューロンをin vivo細胞内記録(複数のニューロンから同時記録).記録ニューロンはニューロビオチンを注入して形態学的に同定.