(所属領域)  第三領域・公募班員

(氏名)    佐藤 勝重

(所属・職名)東京医科歯科大学 大学院歯学総合研究科

      細胞生理学分野・講師

(電話) 03-5803-5157

FAX03-5803-0118

(E-mail)

katsushige.phy2@tmd.ac.jp

URL

http://square.umin.ac.jp/optical/

(メッセージ)

 平成元年に東京医科歯科大学を卒業後、3年ほど内科・神経内科医として医療に従事しました。しかしながら、研究への興味が断ち切れず、学生時代から出入りさせて頂いていた生理学教室(神野耕太郎名誉教授)の大学院に進み、研究者生活がスタートしました。最近は、自分が描く理想的な研究者像と自分の研究能力のギャップに悩むことが多いのですが、まわりの皆に助けられ何とか研究を続けることができています。

 現在の主な研究のテーマは、(1)ニューロン活動の光学的イメージング法を機軸にした中枢神経系の機能発生/形成過程に関する研究と、(2)光学イメージング法の臨床応用に関する研究です。脊椎動物初期胚の神経細胞は微小、かつ機械的に脆弱のため、従来の電気生理学的手技を適用することは困難ですが、膜電位感受性色素を用いた膜電位活動の光学的計測/イメージング法を導入することによって、初期胚中枢神経系における機能発生・形成の研究が可能になりました。(1)では、神経系の機能発生の原理を明らかにするとともに、将来的には器官・臓器の神経性制御の協関機能の解析につなげていきたいと考えています。一方、光学イメージング技術を実際の医療の場に応用しようというのが(2)です。これまでに、脳神経外科学と共同で内因性光学イメージング法を術中のヒト体性感覚野に適用して、手指刺激に対する応答野を術中にマッピングすることに成功しました。この方法を他の脳領域にも広げ、術中光学診断技術を確立していきたいと考えています。

 発表論文など詳しくは、ホームページhttp://square.umin.ac.jp/optical/をお訪ね頂ければ幸いです。統合脳では、多くの先生からいろいろ教えて頂けることを願っております。

· Momose-Sato, Y., Sato, K. and Kamino, K. (2001)  Optical approaches to embryonic development of neural function in the brainstem.  Progress in Neurobiology 63, 151-197.

· Momose-Sato, Y., Honda, Y., Sasaki, H. and Sato, K. (2004)  Optical mapping of the functional organization of the rat trigeminal nucleus: Spatial and temporal dynamics of sensory information transfer during embryogenesis.  Journal of Neuroscience 24, 1366-1376.

· Sato, K., et al. (2002)  Intraoperative intrinsic optical imaging of neuronal activity from subdivisions of the human primary somatosensory cortex.  Cerebral Cortex 12, 269-280.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

1)膜電位の光学的イメージング

   in vitro計測用装置: 144/464/1020チャネル同時測定システム(吸光・蛍光計測)

   in vivo計測用装置:464チャネル同時測定システム(蛍光計測)

2)内因性光学イメージング

   in vitro / in vivo計測用装置

   脳外科術中内因性光学イメージング装置

(どの計測装置・計測技術も共同実験に公開しており、現在、国内外のいくつかの研究室と共同研究を進めています。)