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(所属領域) 領域3、神経回路機能 |
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(氏名) 岡本 仁 |
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(所属・職名) 理化学研究所、脳科学総合研究センター、 グループディレクター |
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(電話)048-467-9712 |
(FAX)048-467-9714 |
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(E-mail) hitoshi@brain.riken.jp |
(URL)
http://www.brain.riken.go.jp/japanese/b_rear/b0_top.html |
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(メッセージ) 大学卒業以来、神経細胞の分化と特異的神経回路網の形成機構の分子メカニズムを知りたいと願い、研究を続けています。1988年に留学して以来、運送神経細胞の特異化と軸索伸展機構の研究を、メダカとゼブラフィッシュを使って研究しています。このたび念願かない、トランスジェニック・ゼブラフィッシュを使って、大規模突然変異スクリーニングを行い、運動神経細胞の分化の各ステップごとに特異的に影響を及ぼす突然変異系を系統的に単離することができました。現在、これらの突然変異の原因遺伝子の究明と、それらが運動神経分化にどのように関わっているのかを研究しています。 最近、比較解剖学の発展によって、ゼブラフィッシュを含む硬骨魚類の脳と、ほ乳類の脳との間の類似性を詳細に論じることが可能になり、硬骨魚類の脳も、基底核や辺縁系に相当する神経組織を持っていることが明らかになってきました。その結果、ゼブラフィッシュの脳を、脊椎動物型脳の極小モデルとして、脳の高次機能に関わる神経回路の成立ちや動作特性を明らかにしようという考えが芽生えてきています。私達は、この考えに立脚して、終脳からの出力を中脳や後脳のカテコラミン神経細胞の制御に結び付ける上で重要な役割りを果たしていると考えている手綱核に着目し、これに携わる神経回路と神経活動の可視化を試みてきました。その結果、手綱核から、その標的である脚間核への神経投射の様式に、著しい左右差があることを発見しました。現在、この左右差の成立機構と、学習や認知行動における意義を明らかにすべく研究を行っています。 神経回路とその機能を生理学的に結び付ける試みは、私達としては初めてで、これから班員の先生方から、多くを学ばせてただきたいと願っています。御指導の程、何卒よろしく御願いいたします。 (最近の発表論文) Wada H, Iwasaki M, Sato T, Masai I, Nishiwaki Y, Tanaka H, Sato A, Nojima Y, and Okamoto H. (2005) Dual roles of zygotic and maternal Scribble1 in neural migration and convergent extension movements in zebrafish embryos. Development. 132:2273-2285. Kawakami, A., Nojima, Y., Toyoda, A., Takahoko, M., Satoh, M.,
Tanaka, H., Wada, H., Masai., I., Terasaki, H., Sakaki, Y., Takeda, H., and
Okamoto, H. (2005) The zebrafish-secreted matrix protein You/Scube2 is
implicated in long-range regulation of Hdgehog signaling. Current Biology, 15: 480-488 Aizawa, H., Bianco, I.H., Hamaoka,
T., Miyashita, T., Uemura, O., Concha, M.L., Russell, C., Wilson, S.W., and
Okamoto, H., (2005) Laterotopic Representation of Left-Right Information onto
the Dorso-Ventral Axis of a Zebrafish Midbrain Target Nucleus, Current
Biology, 15: 238-243. |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 私達の研究室は、ナショナルバイオリソースプロジェクト(ゼブラフィッシュ)の中核機関として、ゼブラフィッシュ系統の収集と供給を行っています。 また、ゼブラフィッシュを使って実験を始めたい方や、新しい技術等を身につけたい研究グループにも、各種個別の研修を受け入れています。 |