(所属領域)    第三領域・公募班員       

(氏名)        中川 真一       

(所属・職名) 独立行政法人理化学研究所

中川独立主幹研究ユニット・独立主幹研究員  

(電話)

048-467-3251

FAX)

048-467-3250

(E-mail) nakagawas@riken.jp

URL)

http://www.riken.jp/lab-www/nakagawa/

(メッセージ)

  ひとくちに「神経」の研究と言ってもピンからキリまであると思うのですが、このうちのおそらくはキリの方に属する、むしろ「発生」と言った方がすっきりくるような研究をしております。なぜ基本的な発生のメカニズムを研究するためにわざわざ複雑な神経を対象にするのか、というのはしばしば耳にする疑問(FAQ)ではあるのですが、神経系の細胞はきれいだから、というのは答えになっておらず、神経細胞は他の全ての細胞の特徴を少しずつ持っているから、というのもいまいち、結局のところすんなりと納得できる答えが見つからないまま、憑かれたように神経系の発生、特に網膜の層形成の研究をしております。網膜に格別のこだわりがあるわけではないのですが、未分化な神経上皮細胞はエレベーター運動をする、という神経発生のフェルマーの大定理を証明する事を夢見つつ、層形成初期における個々の神経細胞の振る舞いや、後期の層形成である樹状突起形成などを解析する実験に取り組んでおります。技術的には学生実験に毛が生えたような事しかしていないのが口惜しい所ではあるのですが、ものは考えようなので、発展の余地は無限大、と思う事にしております。

 初めて科研費の研究班というものに加えさせていただいたのがこの班の前身(?)の特定領域「神経回路」だったのですが、夏の札幌でこれも初めての班会議に参加した際、こんなに面白いミーティングがこの世に存在していたのか(ちょっと大げさですが)、と大変興奮したものです。タイトなスケジュールに気力と体力を使い果たし、班会議が終わった時には5キロぐらい痩せていましたが(ちょっと大げさですが)、あれだけの人数が一同に会し、延々とサイエンスについて語れるというのはすばらしい事だと思います。専門分野以外の話に関しては正直な所きちんと理解していたかどうか大変アヤシい所があるのですが、きっとだんだんと分かってくるはずだと、これも楽観的に考えています。逆に考えると、理解できる話ばかり聞いていても面白くありません。まだまだ書生のような分際ですが、今後ともよろしくお願いします。

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

ニワトリ胚へのエレクトロポーレーションによる遺伝子導入。

単一細胞からのPCRによるcDNA合成とサブトラクションライブラリーの作製。