(所属領域)第三領域・公募班員

(氏名)  戸井 基道

(所属・職名)独立行政法人産業技術総合研究所

脳神経情報研究部門・研究員

(電話)

029-861-7886

FAX

029-861-6406

(E-mail)

doi-m@aist.go.jp

http://unit.aist.go.jp/neurosci/japanese/index.html

(メッセージ)

モデル生物線虫を用いて、シナプス伝達制御因子とシナプス形成制御因子の両方に注目し、主に分子遺伝学的手法を用いた研究を行っています。シナプス伝達に関する仕事は、線虫の神経筋接合部における逆行性シナプス伝達を制御するリガンド分子(ペプチド)の同定と、ポストシナプス(筋肉)からのシグナル分子の放出制御に関わる因子の同定を進めています。

シナプス形成に関する仕事では、神経細胞間でシナプス接続する相手(ターゲット)の認識し、それらの神経間に特異的なシナプスを形成させるために必要な因子群を同定することを目指して、ターゲット特異的なシナプス形成が異常になる突然変異体のスクリーニングと、原因遺伝子の分子遺伝学的解析を行っています。こちらの方は始めてまだ日も浅く、試行錯誤しながら実験を進めているところです。

大きな目標として、モデル生物の微小な(単純な)神経回路をモデル系として、学習・記憶を制御する微小回路網形成の分子メカニズムを理解し、その神経回路を用いて行われる情報処理の実体を、イメージング技術などを用いて見出すことが出来ればと考えています。大学院の時はショウジョウバエの求愛行動に関する研究を行っており、その時から回路を作る遺伝子と回路を流れる情報の実体を捕まえることが出来たら、と思っていました。単純な自分に合わせてより単純なモデル系である線虫の世界に入ってみたのですが、依然として何一つ捕まえる事が出来ておりません。この統合脳の集会等を通して上の研究全般に対して色々と御指摘して頂けたり、大きなブレークスルーとなるディスカッションが出来たりすれば、と思っておりますのでよろしくお願いいたします。

 

<参考文献>

Doi M. and Iwasaki K., “Regulation of retrograde signaling at neuromuscular junctions by the novel C2 domain protein AEX-1”, Neuron, vol. 33, 249-259, 2002.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

·  線虫を用いた目的遺伝子の分子遺伝学的解析

·  特にシナプスマーカーを用いた線虫におけるシナプス形成の解析