(所属領域)   第三領域・公募班員

(氏名)     白尾 智明

(所属・職名) 群馬大学大学院医学系研究科

      高次細胞機能学  ・ 教授 

(電話)027-220-8050

FAX027-220-8053

(E-mail)  

tshirao@med.gunma-u.ac.jp

URL

http://neuro.dept.med.gunma-uac.jp

(メッセージ)

樹状突起スパインは神経細胞に特異的に備わった装置であり、その機能および形態の変化は、シナプス可塑性にとって重要な役割を果たしていると考えられています。樹状突起スパインは樹状突起シャフトとは著しく異なったスパイン特異的な蛋白構成を持っています。従って、これらのスパイン機能蛋白がスパインへ選択的に運ばれて行くメカニズムは、神経機能解明にとって重要な問題点となっています。私が本特定領域研究で提案した研究は、シナプス形成過程および可塑性における蛋白のスパインへの選択的集積メカニズムを、スパインに特徴的なアクチン結合蛋白ドレブリンAをモデルとして解明することを目指した研究です。本年は「グルタメート受容体を介したシグナル」と「アクチン−ミオシン系による集積メカニズム」の関与について明らかにする予定です。

(1) Takahashi, H., Sekino, Y., Tanaka S., Mizui, T., Kishi, S, and Shirao, T., “Drebrin-dependent Actin Clustering in Dendritic Filopodia Governs Synaptic Targeting of Postsynaptic Density-95 and Dendritic Spine Morphogenesis” J. Neurosci. 23:6586–6595 (2003)

(2) Aoki, C., Sekino, Y., Hanamura, K., Fujisawa, S., Mahadomrongkul, V., Ren, Y., and Shirao, T. “Drebrin A is a Postsynaptic Protein that Localizes in vivo to the Submembranous Surface of Dendritic Sites Forming Excitatory Synapses” J. Comp. Neurol. 483: 383-402 (2005)

(3) Mizui, T., Sekino, Y., Takahashi, H., Yamazaki, H. and Shirao, T.  “Overexpression of drebrin A in immature neurons induces the accumulation of F-actin and PSD-95 into dendritic filopodia, and the formation of large abnormal protrusions.”  Mol. Cell. Neurosci.  (in press)

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

1.海馬神経細胞低密度初代培養法

2.蛍光標識によるスパイン形態、密度等の定量的解析法

3.目的蛋白を蛍光標識して神経細胞に発現させ、目的蛋白の細胞内輸送及び分布をタイムラプス観察する技術

4.アンチセンスオリゴヌクレオチド及びsiRNA法による目的蛋白の発現抑制法とその生化学的、細胞生物学的、電気生理学的解析法

5.遺伝子変換動物の作製とその解析法

(1から4までの技術に関しては習得したい方を受け入れることが可能です。)