(所属領域)領域3 脳の神経回路の機能解明A03

(氏名)     岡 良隆

(所属・職名)東京大学大学院理学系研究科

生物科学専攻・生体情報学研究室・教授

(電話)03-5841-4438

FAX03-5841-4438

(E-mail)

okay@biol.s.u-tokyo.ac.jp

URL

http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp

(メッセージ)

学生実習のときに脳のゴルジ標本を見てその美しさに感動し、大学院に入って脳の形態学からこの分野の研究に入りました。以来、電子顕微鏡をはじめとする各種形態学、脳の局所破壊や刺激実験を含む行動学などの研究を経験した後、30代半ばで電気生理学を開始して今日に至っています。従来の生理学、内分泌学、行動学、などの範疇にはとらわれない、動物学的な広い視野に立った神経生物学を目指した研究をしています。また、多様な技術を必要に応じて使い分けるだけでなく、実験の目的に応じて新たな実験動物系や技術を導入しながら、基礎生物学としての神経生物学を若い学生さんたちと共に追求するという姿勢を大事にしています(上の写真に私と共に写っているのは、GnRHというペプチドを産生するニューロンを研究する上では脊椎動物において随一の特徴を有する、ドワーフ・グーラミーという熱帯魚です)。1990年に志を同じくする研究仲間と開始した研究会活動も今年で16年目に入っています。この研究会は生命の基本を司る本能的脳機構の探求を目指しており、4回の国際シンポジウムを含めて既に40回に迫る研究会活動を重ねています。研究会の名称は、何かと脚光を浴びる脳の高次機能の向こうを張って「低次脳機能研究会」略して「低脳研」(一字間違うと「低能研」となってしまいます)と称していますが、今年1月に行った国際シンポジウム(約130名の参加者)では”Teino-ken”という言葉の意味も披露し、Teino-kenの名前は世界的になりました。また、この他に、東大理学部・医学部・医科研・日本医科大学・理研BSIなどから多彩な神経科学者を集めた土曜ジャーナルクラブも開始後十数年経ち、年23回の飲み会と共に活発に活動を行っています。これらの活動については、研究室のホームページに詳しく紹介していますので、ぜひご覧下さい。

http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/naibunpi/lab.html 以下は最近の業績の一例です。

·           Haneda, K., and Oka, Y. (2004) Endocrinology 145: 4489-4499.

·           Ishizaki, M., Iigo, M., Amano, M., and Oka, Y. (2004) Endocrinology 145: 2092-2103.

·           Tsutsui, H. and Oka, Y. (2002) Journal of Physiology 539: 743-753.

·           Tsutsui, H., Yamamoto, N., Ito, H., and Oka, Y. (2001) J. Neurophysiol. 85: 1167-1177.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

全脳インヴィトロ標本、脳スライス標本、スライスカルチャーなどを用いた電気生理学、Ca2+イメージング、単一細胞RT-PCRその他の分子生物学的技術、動物行動学、微小炭素繊維電極を用いたアンペロメトリーによるペプチド開口放出のリアルタイム測定、免疫組織化学・in situ hybridizationや電子顕微鏡などの形態学的手法

魚類脳に関する生理学的・形態学的知見に関しては各種情報提供可能

学部学生・大学院生などに対する神経生物学関係の講義資料をホームページで公開