(所属領域)   第四領域・公募班員

(氏名)     桑原 知子

(所属・職名)産業技術総合研究所ジーンファンクション研究センター機能性RNA研究チーム・チームリーダー

(電話) 029-861-2534

FAX)029-861-3019

(E-mail)  

t.warashina@aist.go.jp

URL)

(メッセージ)

RNA分子に強い関心を持って幹細胞機能維持や分化誘導の制御メカニズムを理解しようと取り組んでいます。ドクター取得以前の研究がRNAバイオテクノロジー分野で、生命の起源がRNAであるとする「RNAワールド説」に惹きつけられているためでもあります。ゲノム進化に関わってきたRNA類が、ヒトへの進化、脳機能の高度化にももっと深く関わっているのではないか、と考えています。現在は特に、ゲノムのnon-coding領域から産出される小さいRNAが成体の脳海馬の神経新生にどう貢献しているかを、分子レベル、動物レベル、行動学などできるだけ広い視野から比較検討しようとしています。

 2005年4月まで米国ソーク研究所のGage研究室に共同研究のため長期渡米していました。帰国した現在も共同研究のため年一度は渡米しています。あちらでは、女性研究者の出産が非常に多く、子育てと両立しながら研究を行う術と、うまく主人を家事に引き込む実例も学んできました。といっても、最近は2人の娘のパワーに押され気味で、なかなか余裕をもってサイエンスを考える時間もなく、日々に流されている状況です。研究仲間と子供の育ち具合や、繁多な雑用の愚痴をメールで伝え励まし合っています。

 「統合脳」で多くの活発な研究者の皆さんと出会い、研究への新しいサジェスチョンを頂いて、共同研究が広がることを期待しています。電気生理実験、微小電流刺激に興味があり、そういった研究手法を学びたいとも考えています。よろしくお願い致します。

1)         Tomoko Kuwabara, Jenny Hsieh, Kinichi Nakashima, Kazunari Taira and Fred H. Gage. (2004) A small modulatory dsRNA specifies the fate of adult neural stem cells. Cell, 166, 779-793.

2)        Jenny Hsieh, Kinichi Nakashima, Tomoko Kuwabara, Eunice Mejia and Fred H. Gage. Histone deacetylase inhibition-mediated neuronal differentiation of multipotent adult neural progenitor cells. (2005) Proc Natl Acad Sci USA 101(47): 16659-64.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

Stableに目的遺伝子またはRNAを発現するためのレンチウイルス作成

Streotaxicを用いた、レンチウイルス、レトロウイルス等のマウスやラット脳への局所的インジェクション、

RNAiや遺伝子のover expressionのためなどレンチウイルスコンストラクト作成、

Stage特異的プロモーターなどのコンストラクト作成、

細胞染色法、RNAの機能を研究する分子学的実験全般。