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(所属領域) 第四領域・公募班員 |
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(氏名) 大西 浩史 |
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(所属・職名)群馬大学生体調節研究所 バイオシグナル分野・講師 |
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(電話)027-220-8867 |
(FAX)027-220-8897 |
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(E-mail)
ohnishih@showa.gunma-u.ac.jp |
(URL) http://imcr.showa.gunma-u.ac.jp/lab/brc/index.html |
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(メッセージ) 神経回路網における細胞間コミュニケーションに興味を持って研究を進めています。特に多細胞生物において細胞間コミュニケーションに重要な役割を果たす蛋白質チロシンリン酸化シグナルを中心に、新たな神経細胞間シグナル伝達機構を解き明かしていきたいと考え、現在は神経細胞に強く発現する2つの膜蛋白質SHPS-1とCD47の相互作用による細胞間シグナルシステムCD47-SHPS-1系の生理機能解明に取り組んでいます。 SHPS-1は蛋白質チロシン脱リン酸化酵素SHP-2を介して機能する受容体型のシグナル分子です。一方、CD47は5回膜貫通型の受容体型蛋白質で、ラットにおいて学習依存的にmRNA発現量が増加することが報告されています。これまでの研究で、CD47-SHPS-1系は、普遍的な細胞運動やマクロファージ貪食を抑制的に制御する細胞間シグナルとして機能することを示していますが、CD47とSHPS-1が特に強く発現している中枢神経系における機能は明らかではありません。SHPS-1の細胞外領域は免疫系のT細胞、B細胞受容体等の免疫受容体と相同性を示し、さらに、この領域には遺伝子多型が見られます。これらのことから、SHPS-1は免疫系の受容体のように、特異性と多様性を兼ね備えた受容体として神経細胞間コミュニケーションに関わり、神経機能を制御していると予測しています。このCD47-SHPS-1系の機能解析を手掛かりに、これまでに知られていない神経回路の機能制御メカニズムを見出していきたいと考えています。 特定領域研究に参加するのは初めてですが、多くの研究者の方々との積極的な「コミュニケーション」が、研究活動の強い推進力を生み出すことを期待しています。 <最近の論文> Ohnishi, H., Kaneko, Y.,
Okazawa, H., Miyashita, M., Sato, R., Hayashi, A., Tada, K., Nagata, S.,
Takahashi, M, Matozaki, T. (2005) Differential localization of SH2
domain-containing protein tyrosine phosphatase substrate-1 and CD47 and its
molecular mechanism in cultured hippocampal neurons. J. Neurosci., 25, 2702-2711. Miyashita, M., Ohnishi,
H., Okazawa, H., Tomonaga, H., Hayashi, A., Fujimoto, T.T., Furuya, N.,
Matozaki, T. (2004) Promotion of neurite and filopodium formation by CD47: Roles
of integrins, Rac, and Cdc42. Mol.
Biol. Cell, 15, 3950-3963. Ohnishi, H., Kobayashi, H., Okazawa, H., Ohe, Y., Tomizawa, K.,
Sato, R., Matozaki, T. (2004) Ectodomain shedding of SHPS-1 and its role in regulation of cell
migration. J. Biol. Chem., 279, 27878-27887. |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 神経細胞培養、遺伝子導入、組織化学、細胞染色、抗体・リコンビナント蛋白質作製、組織・細胞の生化学的解析(公開 可) |