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(URL) http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/mgrl/IINO_lab/ |
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(メッセージ) 私は東京大学理学部生物化学科に育ちました。学部、大学院では酵母の遺伝学を用いた研究を行い、新たに分離したひとつの突然変異体をきっかけに、全く未開拓の分子パスウェイが明らかにされるプロセスを体験しました。その後、一念発起して神経科学の分野に飛び込み、ポスドクとしてコロンビア大学のEric Kandel教授の門を潜りました(もう随分前のことになりますが)。Ericの研究室にいた時にはアメフラシの系で感覚神経をターゲットとした遺伝子クローニングを行いました。アメフラシは優れた神経生理学・分子生物学の材料ですが、一方、遺伝学の醍醐味も忘れられず、遺伝学のアプローチを用いて神経機能を解明したいと考えました。そこで帰国後、線虫C. elegansを材料として扱い始め、現在に至っています。 現在、化学走性行動を指標として、感覚受容や行動可塑性のメカニズムを研究しております。「まるごと」の動物の行動に常に向き合いながら、突然変異体や遺伝子改変動物を用いることにより、神経系で働く分子の作用を解明する過程に面白みを感じています。線虫のわずか302個の神経細胞はすべて同定されておりファインな解析が可能であることも魅力のひとつです。これまでの研究で、感覚順応や行動可塑性に関わるシグナル経路として、Ras-MAPK経路とインスリン・PI3キナーゼ経路の神経回路上での働きを明らかにしました。また、GqとGoの拮抗的な作用による制御機構も明らかにすることができました。
線虫と哺乳類の神経で相同な分子が使われている例は数多くあります。「統合脳」では、他の班員の先生方と協力して 以下、最近の論文より。 T.
Hirotsu, S. Saeki, M. Yamamoto and Y. Iino "The Ras-MAPK pathway is
important for olfaction in C. elegans"
Nature, 404, 289-293 (2000) H. Kunitomo, H. Uesugi, Y. Kohara and Y. Iino "Identification
of ciliated sensory neuron-expressed genes in Caenorhabditis
elegans using targeted pull-down of poly(A) tails" Genome
Biol 6(2): R17 (2005) T. Hirotsu and Y. Iino "Neural
circuit-dependent odor adaptation in C. elegans is
regulated by the Ras-MAPK pathway" Genes Cells 10(6): 517-530 (2005)
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)
哺乳類等の生物で、扱っておいでの遺伝子の分子機能が不明な場合、線虫にホモログがありましたらぜひお声をお掛け下さい。ノックアウト線虫を作成して発生あるいは行動の異常が見られたらこっちのものです。機能解明のお手伝いができるかもしれません。
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