(所属領域)   第四領域・分子脳科学・公募班員

(氏名)  石原 健

(所属・職名)            

  九州大学理学研究院・生物科学部門・教授    

(電話)

  092-642-2626

FAX        

   092-642-2645

(E-mail)              

takeiscb@mbox.nc.kyushu-u.ac.jp

URL 

http://molgen.biology.kyushu-u.ac.jp

(メッセージ)

 大学院生時代には、ペプチド受容体の分子レベルの解析をしていましたが、動物個体を用いて、脳における情報処理を研究したいと考え、線虫C. elegansをモデルとして研究を始めました。線虫の約300個の神経細胞からなる単純な神経回路で起きている情報処理の全貌を明らかにすることを目標にしています。そのためには、行動や遺伝子だけでなく、新しいアプローチや考え方を導入することの重要性を痛感しています。研究室を立ち上げたばかりで右往左往していますが、この「統合脳」において、他の先生方の研究にふれたり、私たちの研究のご批判を仰ぎながら、線虫をスタートに広く研究を発展させていくことができればと思っております。

 私たちの研究室では、線虫C. elegansの特徴を生かして、行動やホメオスタシスの分子遺伝学的な解析を進めています。私は、「2つの入力から1つの出力」という単純な情報処理に着目して、感覚情報の統合や連合学習に関わる分子メカニズムを神経回路と結びつけて研究を進めています。今後は、新しい行動測定系を確立やイメージングによる神経活動の観察を組み合わせて、より複雑な情報処理にも研究を広げていきたいと考えています。私たちの研究室では、線虫の行動の可塑性に伴うシナプス形態の変化の解析も進めています。また、体の大きさと脂質の蓄積を指標にした線虫における、神経系によるホメオスタシスの制御に関わる研究も行っています。

 

参考文献

Ishihara,T. Iino,Y. Mohri,A., Mori,I., Gengyo-Ando,K., Mitani,S., Katsura,I. (2002)

HEN-1, a secretory protein with an LDL receptor motif, regulates sensory integration and learning in Caenorhabditis elegans. Cell 109, 639-49

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

実験技術

線虫C. elegansを用いた分子遺伝学的解析技術

各種の行動測定、線虫の体の大きさの測定

リソース

線虫の神経・器官に特異的な各種プロモーターなど