(所属領域)   第4領域・公募班員

(氏名)      深澤 有吾

(所属・職名)自然科学研究機構・生理学研究所 

      脳形態解析部門・助手    

(電話)0564-59-5279

FAX0564-59-5275

(E-mail)

yugo@nips.ac.jp

URL

http://www.nips.ac.jp/guide/html/res05.html#a

(メッセージ)

脳を構成する個々の細胞は、ナノスケールの機能ドメインを駆使してその役割を果たしています。これらのドメインは、各ドメイン固有の機能発現に必須な分子の集合体であり、その機能は個々のドメインに局在する分子の種類、数、質(活性化状態)により調節されているはずです。ところが現時点での分子生物学的解析法やそこから得られた理解は、これら機能ドメインをプールして解析し、生体内での分子の役割を定性的に理解するに留まっています。これは多分に既存の生体内分子の局在解析法の精度や感度が低いことによると考えられます。そこで私は現在、どのように工夫したら分子局在の真の姿を電子顕微鏡レベルで高感度に定量的に捉えられるのか?そして、各分子局在の定量的理解によりすでに生理学的に捉えられた現象を説明し、また、予測することができるのか?に興味を持って研究しています。既存法を補完する方法として注目しているのが、SDS-digested freeze-fracture replica labeling (SD-FRL) 法で、脳組織から作成したレプリカ膜上で免疫標識を行いより精度の高い定量的な局在解析技術の確立を目指しています。ようやくこの技術を用いた解析結果を報告出来る様になって来ましたが、まだまだ技術的な問題点が多く、また、この方法の応用性を拡張するため改良作業に追われる毎日を送っています。この領域に参加させていただくことになり、多くの方々とディスカッションし自身の研究の飛躍に結び付けたいと考えておりますし、また、共同研究を行うチャンスも得たいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

参考文献

(1) Tanaka J, Matsuzaki M, Tarusawa E, Momiyama A, Molnar E, Kasai H, Shigemoto R.: Number and density of AMPA receptors in single synapses in immature cerebellum. J Neurosci. 25: 799-807, 2005.

(2) Hagiwara A, Fukazawa Y, Deguchi-Tawarada M, Ohtsuka T, Shigemoto R: Differential distribution of release-related proteins in the hippocampal CA3 area as revealed by Freeze-fracture replica labeling. J Comp Neurol 489:195-216, 2005.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

脳内の膜タンパク質局在解析(光顕、電顕レベルでの既存法による免疫組織化学)、

SDS-FRL法による膜タンパク質局在解析、

トレーサー実験(色素、及びGFP発現レンチウィルス)、

抗体を用いた分子局在解析を主要な実験技術としていますので、よい抗体があればこちらで標識の有無を試せます。また、技術講習等も随時実施していますので、お問い合わせ下さい。