(所属領域)   第4領域・公募班員      

(氏名)   一戸 紀孝      

(所属・職名)  理化学研究所・脳科学総合研究センター

脳皮質機能構造研究チーム・副チームリーダー

電話048-467-6441

FAX048-467-6420

(E-mail)

nichinohe@brain.riken.jp

URL

http://www.brain.riken.go.jp/labs/cos/

(メッセージ)

私は、中脳の電気刺激や破壊実験による瞳孔運動の研究から脳科学生活を始め、その後、視床、大脳基底核と研究フィールドを脳の吻側方向へ進め、現在は大脳皮質の研究をしております。生理活性物質(神経調節物質、イオンチャンネル、レセプター)の分布、線維連絡、皮質カラム構造をふまえつつ大脳皮質の局所回路の解析をしております。特に現在は、海馬、扁桃体など辺縁系と感覚連合野のインターフェースとなっており、記憶、認知に関係していると考えられる霊長類、齧歯類周嗅皮質に焦点をあてようと思っております。周嗅皮質は大脳皮質の広い領域から入力をうけるとともに、神経調節物質の量、受容体も豊富な領域であり、「統合脳」において、いろいろな領域の人たちとの交流を通していろいろなヒントをもらったり(できれば与えたり)、共同研究などのチャンスが増えればよいと思っております。現在用いている手法は、古典的およびウィルスを用いたトレーサー法、免疫組織化学法、in situ hybridization法などです。大脳皮質カラム構造の発生学的形成のメカニズムを探るために、mutant および trangenic mouseも用いております。

以下、ご参考までに最近の論文を挙げておきたいと思います。よろしくお願いします。

(1)    Ichinohe N, Rockland KS (2005) Distribution of synaptic zinc in the macaque monkey amygdala. J Comp Neurol. 89:135-147.

(2)    Ichinohe N, Rockland KS (2005) Zinc-enriched amygdalo- and hippocampo-cortical connections to the monkey inferotemporal cortices. Neurosci Res 53: 57-68.

(3)    Ichinohe, N. Rockland KS (2004) Region specific micromodularity in the uppermost layers in primate cerebral cortex. Cerebral Cortex. 14:1173-1184.

(4)    Ichinohe, N. Fujiyama F, Kaneko T, Rockland KS (2003) Honeycomb-like Mosaic at the Border of Layers 1 and 2 in the Cerebral Cortex. J Neurosci 23: 1372-1382.

 

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

マカクザル、齧歯類の脳へのトレーサー注入法(サルの場合、超音波画像診断装置による注入針の可視化下での深部構造への注入も含む)