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(所属領域) 第四領域・公募班員 |
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(氏名) 岡村 均 |
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(所属・職名)神戸大学大学院医学系研究科 脳科学講座分子脳科学分野・教授 |
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(電話)
078-382-5340 |
(FAX) 078-382-5341 |
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(E-mail) okamurah@kobe-u.ac.jp |
(URL) http://www.med.kobe-u.ac.jp/mPer/INDEX.htm |
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(メッセージ) 生体リズムを司る時計遺伝子の研究をしております岡村と申します。リズムといえばスリーマイル島の原子力発電所事故など大事故が深夜に頻発するということだけではなく、極めて21世紀の今日的な日常生活と深くかかわっています。我々の生きる21世紀は、過去に見られなかった社会の大変革を起こしつつあります。巨大な生産力を背景とした余剰により、ヒトは社会から干渉を受けずに生きることができ、個人の「自由」を手に入れ、欲望が開放されました。この状況が新しい病気を生み出さない訳はありません。 病気は、考えてみれば、社会構造と一定の関係があります。たとえば、神経疾患は平均寿命が40歳も満たない社会では、今日ほどは注目されなかったでありましょう。では、今日の人々は、そのささやかな欲望を何をもって満足させるのでありましょうか?その手段として、テレビ、ゲームなどのテクノロジーとコンテントの提供をセットにした装置が編み出されました。このバーチャルな現実は、ささやかな個人の欲望を満たし、寝させません。ヒトはバーチャルな「新しい世界」に乗り出したのであり、15世紀のフロンティアがDiscovery of New Worldならば、21世紀のそれはDiscovery of Nightとも言えるでしょう。睡眠時間が世界で最短の国民である日本人はこの世界に先陣を切って乗り出しており、この弊害である睡眠不足による様々な障害も急速に増大しております。この意味では、リズムは21世紀の新しい病気であります。 我々は、生命のリズムである24時間周期のサーカディアン振動の研究を通じて、遺伝子発現から蛋白質、細胞、局所回路、脳機能、全身の機能という統合原理を探っております。そのために、分子生物学的研究手法による遺伝子レベルの研究のみならず、シングルセルでの細胞活動を記録する様々な装置開発、神経活動・ホルモン・生体の生理リズムの数理的解析等を行っております。これらの様々な手法を通じて、生体リズムの統合機構を解明することにより、リズム異常の疾病の基盤を明らかにし、その疾病機構の解明やひいては新しい治療法の創出に貢献したいと思います。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 通常の分子生物学的手法に加えて、経時的遺伝子発現計測用極低温CCD装置、自動血液サンプル装置、定量的組織化学法、行動量測定装置などあらゆるレベルでの体内リズムの測定をしております。共同研究を歓迎いたします。 |