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(所属領域) 第五領域・計画班員 |
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(氏名) 岩坪 威 |
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(所属・職名) 東京大学大学院薬学系研究科・ 臨床薬学教室・教授 |
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(電話)03 (5841)4877 |
(FAX) 03 (5841)4708 |
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(E-mail) iwatsubo@mol.f. u-tokyo.ac.jp |
(URL) http://web.f.u-tokyo.ac.jp/ ~neuropsc/entranceja2.html |
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(メッセージ) 神経内科医としてスタートしましたが、神経病理形態学、さらにアルツハイマー病を中心とする神経病理生化学を学ぶうちに、神経変性疾患の分子病態をより基礎的な立場から追及したくなり、十数年前から薬学部に腰を落ち着けて研究に専念しています。本研究班では主にパーキンソン病を対象とし、a-synucleinなどの病因蛋白質の凝集がなぜ生じ、どのような異常をもたらすのか、また最近明らかにされてきた家族性パーキンソン病の病因遺伝子のうち、LRRK2/dardarin, DJ-1, PINK-1などがどのような機能と病因的意義を有するかについて、実験神経病理学の立場から解明を志します。私たちはアルツハイマー病、とくにβアミロイドやγセクレターゼなども研究していますが、家族性病型の病因遺伝子が続々と同定された後、疾患の分子病態解明が爆発的に進んだアルツハイマー病研究の歴史が、いままさにパーキンソン病で繰り返されようとしているように感じ、興奮しています。本研究班では、疾患の病因研究を指向する第5領域の班員が、他領域の研究者と交流を進めることにより、脳のしくみの解明が正常から異常へ、そして異常から正常へと大きく展開することを期待しています。 私たちが用いてきた免疫組織化学〜蓄積蛋白質の病理生化学〜培養細胞や遺伝子改変動物を用いた分子細胞生物学、とアプローチの方法は変遷してきましたが、神経難病の病因解明と治療法開発を変わらず指向してゆく決意です。 最近の論文には次のようなものがあります。
1.
Takasugi
N, Tomita T, Hayashi I, Tsuruoka M, Niimura M, Takahashi Y, Thinakaran
G, Iwatsubo T:
The
role of presenilin cofactors in the g-secretase
complex. Nature 422:438-441, 2003 2. Fujiwara
H, Hasegawa M, Dohmae N, Kawashima A, Masliah E, Goldberg MS, Shen J, Takio
K, Iwatsubo
T: a-Synuclein
is phosphorylated in synucleinopathy lesions. Nature Cell Biol 4:160-164,
2002 3. Hashimoto
T, Wakabayashi T, Watanabe A, Kowa H, Hosoda R, Nakamura A, Kanazawa I, Arai
T, Takio
K, Mann DMA, Iwatsubo T: CLAC: a novel Alzheimer amyloid plaque component
derived from
a transmembrane precursor, CLAC-P/collagen type XXV. EMBO J 21:1524-1534,
2002 4. Baba M,
Nakajo S, Tu P-H, Tomita T, Nakaya K, Lee VM-Y, Trojanowski JQ, Iwatsubo T:
Aggregation
of a-synuclein
in Lewy bodies of sporadic Parkinson’s disease and dementia with Lewy bodies.
Am
J Pathol 152: 879-884, 1998 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) あまり特殊なものはありませんが、パーキンソン病関係ではa-synucleinに対する各種抗体、コンストラクト、発現細胞、トランスジェニック線虫などを確立しつつあり、ご希望の方には分与可能です。他の病因遺伝子および産物蛋白についてもリソースの拡大を進めています。 |