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(所属領域) 第五領域・計画班員 |
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(氏名) 三浦 正幸 |
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(所属・職名) 東京大学大学院薬学系研究科遺伝学教室・教授 |
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(電話) 03-5841-4860 |
(FAX)
03-5841-4867 |
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(E-mail) miura@mol.f.u-tokyo.ac.jp |
(URL) http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~genetics/index.html |
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(メッセージ) ヒト疾患を研究するためには、疾患モデル動物を作製し個体レベルで遺伝子機能を明らかにする研究が不可欠である。ヒト疾患の原因遺伝子がゲノム科学の進展とともに多く同定され、ショウジョウバエをはじめとするモデル動物にその相同遺伝子が存在することが明らかされると、疾患原因遺伝子の機能をモデル動物を用いて理解しようという研究が行われるようになってきた。特に晩発性の疾患に関しては寿命が短く、遺伝学的な研究に適したモデル生物の利用によって疾患発症機構に関するブレークスルーがもたらされるのではないかと期待されている。私達は、ヒトを含むほ乳類では遺伝学的な研究が難しい晩発性神経変性疾患を、ショウジョウバエモデルを利用することによって解析を進めている。その結果、神経変性にはカスパーゼに依存しない蛋白質分解経路も深く関与することを示してきた。本研究班ではこのような新たな神経変性機構の解明を遺伝学的に行うとともに、晩発性発症のタイミングを決める因子を遺伝学的なスクリーニングによって明らかにすることを目標としている。モデル動物を用いた研究からは他の実験系では望めないレベルの遺伝学的なデータを短期間に得ることが出来るが、得られた結果からヒト疾患を理解するためのメッセージを正しく読みとることも重要でありかつ課題でもある。そのためには、哺乳類とショウジョウバエを用いた双方向の研究交流が疾患研究の飛躍に欠かせないと思われる。統合脳での活発な研究交流をお願いいたします。 【参考文献】 1. Senoo-Matsuda, N. et al.:
Bax-like protein Drob-1 protects neurons from expanded polyglutamine-induced
toxicity in Drosophila. EMBO J. in
press 2. Kanuka, H et al.:
Gain-of-function screen identifies a role of the Sec61a translocon in Drosophila postmitotic neurotoxicity.
BBA in press 3. Nelson, B. et al.:
Isolation of gene sets affected specifically by polyglutamine expression:
implication of the TOR signaling pathway in neurodegeneraton. Cell Death
Diff. 12, 1115-1123, 2005 4.Kanuka, H. et al.: Cytosol-ER
interplay by Sec61a translocon in polyglutamine-mediated neurotoxicity in Drosophila. Proc. Natl. Acad. Sci.
USA.100, 11723-11728, 2003. |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) 1. ショウジョウバエを用いた神経変性モデルの遺伝学的解析 2. FRETを用いたカスパーゼ活性の生体イメージング |