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(所属領域) 第五領域・計画班員 |
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(氏名) 西川 徹 |
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(所属・職名) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
精神行動医科学分野・教授 |
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(電話)03-5803-5237 |
(FAX) 03-5803-0135 |
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(E-mail) tnis.psyc@tmd.ac.jp |
(URL) http://www.tmd.ac.jp/
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(メッセージ) 精神疾患で治療中の患者さんは、我が国だけでも210万人以上にのぼり、そのうち33万人以上が入院を余儀なくされています。全入院患者数が150万人あまりですから、この数字だけでも精神疾患の克服がいかに急務かが理解できます。精神疾患の病因・病態の解明に向けて、脳科学研究には多大な期待が寄せられています。統合脳では、特定領域研究として初めて精神疾患の研究に取り組む方針を明らかにしていただき、精神医学・精神医療に携わる者として深く感謝しています。 現在、精神疾患が他の医学領域に比べて、分子レベルの研究が遅れているのは、多彩で重大な脳機能障害がもたらされるにもかかわらず、脳に明らかな変性・炎症などの所見を伴わないことに起因すると考えられます。この不思議な現象は、精神疾患に、脳の基本的な作動原理を担う未知の分子機構の異常が関与する可能性を想像させます。私は、代表的精神疾患のひとつである統合失調症の分子病態解明を課題として、統合脳に参加させていただきました。広く五領域の研究者の方々と交流し、システムから分子のレベルまで脳科学の最先端に触れることにより、新たな視点から統合失調症の分子異常にアプローチできるようになるものと期待を膨らませております。 <最近の論文から> (1) Kajii Y, Muraoka S, Hiraoka S, Fujiyama K, Umino A, and
Nishikawa T: A developmentally-regulated and psychostimulant-inducible novel
rat gene mrt1 encoding PDZ-PX proteins isolated in the neocortex, Mol Psychiatry 8: 434-444 (2003). (2) Sakurai S, Ishii S,
Umino A, Shimazu D, Yamamoto N and Nishikawa T: Effects of psychotomimetic
and antipsychotic agents on neocortical and striatal concentrations of
various amino acids in the rat. J Neurochem 90: 1378-1388 (2004). (3) Nishikawa, T.
Metabolism and functional roles of endogenous D-serine in mammalian brains. Biol.
Pharmacol. Bull. in press (2005). (4) Taniguchi, G., Yamamoto, N., Tsuchida, H., Umino, A., Shimazu,
D., Sakurai, S., Takebayashi, H. & Nishikawa, T. Cloning of a
D-serine-regulated transcript dsr-2 from
the rat cerebral neocortex J.
Neurochem. in press (2005). |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) Differential cloning (RNA arbitrarily primed
PCR) Xenopus oocyteを用いたfunctional cloning 酵母ツーハイブリッド法による蛋白質相互作用の解析 免疫組織化学 ラット・マウスにおけるin vivo マイクロダイアリシスによる細胞外液中脳内物質の測定 蛍光検出器付きHPLCによるキラルアミノ酸の定量的分析 電気検出器付きHPLCによるモノアミンと代謝産物の定量的分析 |