(所属領域)  第5領域・公募班員        

(氏名)   有賀 寛芳          

(所属・職名)北海道大学大学院薬学研究科           

      分子生物学分野・教授    

(電話)011-706-3745

FAX011-706-4988

(E-mail)  hiro@pharm.hokudai.ac.jp

URL

http://bunseiserver.pharm.hokudai.ac.jp/

(メッセージ)

 大学院時代より長らく癌研究、とりわけc-mycを中心とした癌遺伝子、癌抑制遺伝子研究を行ってきました。勿論、これらは現在も研究室の中心テーマの1つです。我々は常時遺伝子のクローニングを行っていますが、c-Mycに結合するタンパク質cDNAを単離している1997年にby-productでとれてきたのが本特定研究の研究対象でありますDJ-1です。DJ-1は現在家族性パーキンソン病PARK7の原因遺伝子として名が知られるようになり、「パーキンソン病のDJ-1による発症分子機構と創薬応用」で脳研究分野に片足を踏み入れさせていただきました。そういうわけで、脳研究分野ではまだ素人ですが、今後がんばりたいと思っております。DJ-1はパーキンソン病研究の対象であることは勿論ですが、最近癌遺伝子としての研究も注目されるようになり、Mycとの関連も出てきそうなので私自身は過去の経歴からも喜んでおります。我々の研究室は遺伝子から動物までのモットーに遺伝子クローニングからノックアウトマウス作成まで1つの研究室内で行っております。最近は“薬学の先生”を意識してか?DJ-1に結合して神経細胞死抑制能を有する化合物などもスクリーニングしており、見込みも出てきました。パーキンソン病を解析するには臨床の先生との共同研究が必須ですので、DJ-1にご興味をもたれる先生方がおいでになられれば是非とも宜しくお願いします。

以下、ご参考までに最近の論文を紹介します。

(1) Takahashi, K., Taira, T., Niki, T., Seino, C., Iguchi-Ariga, S.M.M. and Ariga, H. (2001).          DJ-1 positively regulates the androgen receptor by impairing the binding of PIASxa to the receptor.

J. Biol. Chem.  276, 37556-37563.

(2) Taira, T., Saito, Y., Niki, T., Iguchi-Ariga, S.M.M., Takahashi, K. and Ariga, H. (2004) DJ-1 plays a role in anti-oxidative stress to prevent cell death. EMBO Rep. 5, 213-218.

(3) Shinbo, Y., Niki, T., Taira, T., Ooe, H., Takahashi-Niki, K., Maita, C., Seino, C., Iguchi-Ariga, S.M.M. and Ariga, H. (2005) Proper SUMO-1 conjugation is essential to DJ-1 to exert its full activities.Cell Death Diff. in press.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

遺伝子クローニング法;トランスジェニック、ノックアウトマウス作成法

細胞/組織切片染色法 など