(所属領域) 領域5 公募班員

(氏名)   山口芳樹

(所属・職名)名古屋市立大学大学院薬学研究科 

生命分子構造学分野・講師

(電話)052-836-3450

FAX052-836-3450

(E-mail)

yyoshiki@phar.nagoya-cu.ac.jp

URL

http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/

sbk/index.html

(メッセージ)

私たちの研究室では、ユビキチン-プロテアソームシステムに関連したタンパク質の構造生物学研究を通じてこれらのタンパク質間の相互作用ネットワークの全容を分子構造論的観点から把握し、神経変性疾患の発症機構の解明を目指している。具体的には、家族性パーキンソン病原因遺伝子産物であるparkina-synuclein、マシャド・ジョセフ病原因遺伝子産物ataxin-3、アルツハイマー病に纏わる分子(Ab, X11L)などを対象に核磁気共鳴(NMR)法を利用した構造生物学研究を展開し、神経変性疾患の発症メカニズムの分子構造論的基盤を与えることを目的としている。これらのタンパク質の三次元構造、相互作用、凝集機構を原子レベルの分解能で解明することにより、神経変性疾患の治療・予防に貢献したいと考えている。

 

【論文】

(1) E.Sakata, Y.Yamaguchi, E.Kurimoto, J.Kikuchi, S.Yokoyama, S.Yamada, H.Kawahara, H.Yokosawa, N.Hattori, Y.Mizuno, K.Tanaka and K.Kato

EMBO reports 4, 301-306 (2003)

Parkin binds the Rpn10 subunit of 26S proteasomes through its ubiquitin-like domain

(2) T.Mizushima, T.Hirao, Y.Yoshida, Lee, S.J., T.Chiba, K.Iwai, Y.Yamaguchi, K.Kato, T.Tsukihara and K.Tanaka

Nature Struct. Mol. Biol. 11, 365-370 (2004)

Structural basis of sugar-recognizing ubiquitin ligase.

(3) M.Kawasaki, T.Shiba, Y.Shiba, Y.Yamaguchi, N.Matsugaki, N.Igarashi, M.Suzuki, R.Kato, K.Kato, K.Nakayama and S.Wakatsuki

Genes to Cells 10, 639-654 (2005)

Molecular mechanism of ubiquitin recognition by GGA3 GAT domain.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

研究室では2台のNMR装置(400MHzおよび500MHz)が稼動しており、500MHzの装置はクライオプローブを装着している。これらの装置を用いて糖タンパク質や変性タンパク質などを対象にした構造生物学研究を班員の方々との共同研究として展開している。また、多次元HPLCマップ法を用いた糖タンパク質糖鎖のプロファイリングを行っている。特にグライコミクスの研究ツールとしてN型糖鎖ライブラリーを構築しており、糖鎖の構造・機能解析に応用している。これらの糖鎖のデータは、WEBアプリケーション“GALAXY”(http://www.glycoanalysis.info/)としてインターネットを通じて公開している。