(所属領域)  領域・計画公募班員

(氏名)      伊佐畠山 鎮次

(所属・職名) 北海道大学大学院医学研究科

生体機能学専攻・分子生化学講座・分子医化学分野自然科学研究機構・生理学研究所

       認知行動発達機構研究部門・教授

(電話)056411-55706-77615899

FAX056411-55706-77665169

(E-mail)

   tisa@nips.ac.jphatas@med.hokudai.ac.jp

URL 準備中http://www.nips.ac.jp/hbfp/

(メッセージ)

医学部の学生時代に出入りしていた研究室でやっていたことの先をもう少し知りたくなり、そのまま基礎研究の大学院に入学して20年が経過しました。遠大な目標があって脳研究を始めたわけではなく、その都度面白いと思うことを色々やってきたのですが、不思議なことに色々やってきた挙句、最近は20歳台後半の頃に「こういう研究ができたらよいな」と思っていたことに舞い戻って来たような感じです。勿論その頃イメージしていたことと比べると、方法論やアプローチの仕方はだいぶ違っていますが・・・

今は手指の器用な運動や眼球のサッケード運動を制御する神経回路についてその構造と機能を健常動物で解析するとともに損傷後の機能代償機構を調べることが主な研究のテーマです。方法はin vitroのスライス標本におけるパッチクランプ法を用いた実験から麻酔動物での電気生理、また覚醒マウスのサッケード運動から覚醒サルの行動実験と電気生理実験、さらにはサルを用いたPETによる脳機能イメージングなどを組み合わせています。また共同研究では機能代償過程での遺伝子発現なども調べています。

「統合脳」では色々な研究者と出会い、共同研究の輪が広がることを期待しています。

以下、ご参考までに最近の論文から・・・・には、免疫学と神経病理学の研究室に出入りさせていただき、他の医学部の学生より少し早く研究の実際をみる環境におりました。卒業後は、いろいろ迷ったうえで、免疫学を選考することにしました。免疫学といってもシグナル伝達関係に興味をっていたために、少しは癌や神経関係の細胞生物学的分野の知識に触れておりました。その後、アポトーシス、発生工学、ユビキチン化によるタンパク質分解といろいろな医学領域の上を歩いております。昨年自分のラボを持つことができ、学生時代から興味をいておりました神経変性疾患新たな気持ちで始める覚悟であります。統合脳ではいち早く各研究班員の高度な技術や知見に触れお互いの研究に還元できるようなしきいない有機的研究班になるように貢献できればと思っております

 

1)(1) Matsumoto, M., Hatakeyama, S., Oyamada, K., Oda, Y., Nishimura, T. and Nakayama. K-i.: Large-scale analysis of the human ubiquitin-related proteome. Proteomics, in press.

1.2)Okumura, F., Hatakeyama, S., Matsumoto, M., Kamura, T., and Nakayama, K-i.: Functional regulation of FEZ1 by the U-box-type ubiquitin ligase E4B contributes to neuritogenesis. J. Biol. Chem. 279, 53533-53543, 2004.Isa T (2002) Intrinsic processing in the mammalian superior colliculus. Current Opinion in Neurobiology, 12:668-677.

(2) Sasaki S, Isa T, Pettersson L-G, Alstermark B, Naito K, Yoshimura K, Seki K, Ohki Y (2004) Dexterous finger movements in primate without monosynaptic corticomotoneuronal excitation. Journal of Neurophysiology, 92:3142-3147

3)Hatakeyama, S., Matsumoto, M., Kamura, T., Murayama, M., Du-Hua Chui, D-H., Planel, E., Takahashi, R., Nakayama, K-i., and Takashima, A.: U-box protein carboxyl terminus of Hsc70-interacting protein (CHIP) mediates poly-ubiquitylation preferentially on four-repeat Tau and is involved in neurodegeneration of tauopathy. J. Neurochem., 91, 299-307, 2004.

4)Matsumoto, M., Yada, M., Hatakeyama, S., Ishimoto, H., Tanimura, T., Tsuji, S., Kakizuka, A., Kitagawa, M., and K-i. Nakayama.: Molecular clearance of ataxin-3 is regulated by a mammalian E4. EMBO J., 23, 659-669, 2004.

urushitani, M., Kurisu, J., Tateno, M., Hatakeyama, S., Nakayama, K-i., Kato, S., and Takahashi, R.: CHIP promotes proteasomal degradation of familial ALS-linked mutant SOD1 by ubiquitinating Hsp/Hsc70. J. Neurochem., 90, 231-244, 2004.

6)Imai, Y., Soda, M., Hatakeyama, S., Akagi, T., Hashikawa, T., Nakayama, K-i. and Takahashi, R.: CHIP is associated with Parkin, a gene responsible for familial Parkinson's disease, and enhances its ubiquitin ligase activity, Mol. Cell, 10, 55-67, 2002.(3) Sakatani T, Isa T (2004) PC-based high-speed video-oculography for measuring rapid eye movements in mice. Neuroscience Research, 49:123-131.

(4) Watanabe M, Kobayashi Y, Inoue Y, Isa T (2005) Effects of local nicotinic activation of the superior colliculus on saccades in monkeys. Journal of Neurophysiology, 93: 519-534.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

 

生化学的および分子生物学的手法(慢性・覚醒サルでの眼球運動系の実験・神経活動記録、ユビキチン化を中心としたタンパク質分解に関する生化学的アッセイ法など)

発生工学技術(ノックアウトマウス及びトランスジェニックマウスの作製)大脳皮質運動野の微小電流刺激法・薬物局所注入、

麻酔下マウスでの脊髄上行・下行路の神経伝導計測

麻酔動物での電気生理実験、スライスパッチクランプ法、細胞内染色法、

マウスの眼球運動の高速度計測

(マウスの眼球運動系については担当者が1年間の留学で不在になりますが、他の技術について習得したい方を受け入れることは可能です。