(所属領域) 第五領域・班員

(氏名)    くぼた  たけお            

      久保田 健夫

(所属・職名) 山梨大学大学院医学工学総合研究部

      環境遺伝医学講座・教授

(電話)055-273-9557

FAX055-273-9561

(E-mail)

takeot@yamanashi.ac.jp

URL

http://www.yamanashi.ac.jp/education/
medical/social/environ/home.htm

 

(メッセージ)

 わたくしたちの環境遺伝医学講座は、昨年名称を変更して生まれ変わった教室です.研究テーマは「エピジェネティクスからの脳における環境・遺伝子応答の解明」です.エピジェネティクスとは、遺伝子上のDNA修飾スイッチを研究する学問分野です.現在、DNA修飾スイッチ異常症を見い出し、スイッチ異常修復法の開発をめざして研究を進めています.

脳はとりわけ厳密なエピジェネティクス遺伝子発現調節が要求される臓器です.この異常で自閉症疾患が発症することが明らかにされ、小児発達障害疾患や成人の精神疾患でもエピジェネティクス異常が想定されるようになりました.これまで小児神経科医として、小児のゲノムインプリンティング病やDNAメチラーゼ異常症といった精神発達障害疾患の研究を行い、ここ数年はメチル化DNA結合蛋白異常によって発症する自閉症に興味をもっております.

今年、当教室の長井助教授と三宅院生が、このメチル化DNA結合蛋白MeCP2が、マウス胎生脳においてニューロンだけでなくアストロサイトでも発現し、これが自閉症疾患(レット症候群)患者の小頭の要因となりうることを見い出しました(Brain Res Dev Brain Res 2005).これを受けて現在は、個体レベルでMeCP2蛋白質のアストロサイトにおける生理的・病的意義を明らかにする研究を行っています.他方、企業との共同研究で、神経系の培養細胞を材料に、エピジェネティクス機構に作用して遺伝子発現異常の改善を促すような食品中の天然物の探索を行っています.

3年前、前任地の国立精神・神経センター神経研究所で、分子遺伝学から脳科学に研究を転向しました.脳科学ではまだまだ初学者ですので、統合脳の研究班の先生方からさまざまなご教示をいただけたらと思っております.どうぞよろしくお願い申し上げます.

 

 

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

1.遺伝子のメチル化解析、および疾患のメチル化診断技術

2.ニューロンやアストロサイトの初代培養

3.MTTアッセイ

(上記技術について習得したい方を受け入れることは可能です)