(所属領域)第三領域・公募班 

(氏名)  尾崎紀夫

(所属・職名)            

 名古屋大学大学院 医学系研究科精神医学分野・教授    

(電話)

052-744-2282

FAX)

052-744-2293

(E-mail)

ozaki-n@med.nagoya-u.ac.jp

URL)

http://www.med.nagoya-u.ac.jp/seisin/

(メッセージ)

  元来、文学が好きで、その延長として心理学、精神医学に興味を持ち、精神科医になることを目的として医学部に入学しました。当時は、フロイトの精神分析やその周辺に興味があったのですが、臨床医(研修医)になってから、例えば副腎皮質ステロイドを投与されている患者が、激しい気分の障害を起こすのを目の当たりにして、人の心に物質が多大な影響を持っていることを実感しました。また、精神科医として、統合失調症の、しかも極度の滅裂状態(彼の言語表現は意味を伝えうるものではなく「言葉のサラダ」と称せられる様な状態でした)と呼ばれるような患者さんを受け持ち、「精神分析的理解」の限界を感じると同時に、現在の治療法ではいかんともし難い患者さんに何ができるかを考え、脳という視点を持って研究する必要性を感じるようになりました。 

 その結果、精神障害の病態生理を解明して、病態に即した予防・治療法の開発を目指そうとの思いを持ち、今に至っています。これまで、国内外の臨床医、基礎研究者そして患者・家族の方々のご協力を得て、研究を行ってきました。今回、班員に加えていただきましたことを機会に、一層新たな共同研究を発展させ、精神障害の病態生理解明に近づくことができれば幸いです。

-Iidaka T, et al: A variant C178T in the regulatory region of the serotonin receptor gene HTR3A modulates neural activation in the human amygdala. Journal of Neuroscience (in press)

-Ikeda M, et al: Association of Chromosome 5 GABAA Receptor Cluster in Japanese Schizophrenia Patients. Biol Psychiatry (in press)

-Ozaki N, et al: Serotonin transporter missense mutation associated with a complex neuropsychiatric phenotype. Mol Psychiatry 8 (11):933-936, 2003

-Yamanouchi Y, et al: Effect of DRD2, 5-HT2A, and COMT genes on antipsychotic response to risperidone. Pharmacogenomics J 3 (6):356-361, 2003

-Iwata N, et al: Association of a 5-HT5A receptor polymorphism, Pro15Ser, to schizophrenia. Molecular Psychiatry 6 (2):217-219, 2001

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

・統合失調症、双極性障害、うつ病、覚醒剤使用障害のゲノムおよびその表現型データ(臨床情報(人格傾向、養育体験を含む)、向精神薬治療反応性、認知機能、画像データ)

・ゲノム解析技術、上記表現型測定技術

・細胞生物学的技術に関しては貝淵研との共同。

・共同研究(研究室に参加して頂ける方はもちろん)大歓迎です。お気軽に御連絡ください