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(所属領域)第五領域・公募班員 |
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(氏名)植田弘師 |
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(所属・職名)長崎大学大学院医歯薬学総合研究科・
分子薬理学・教授 |
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(電話)095-819-2421 |
(FAX)095-819-2420 |
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(E-mail) ueda@net.nagasaki-u.ac.jp |
(URL) |
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(メッセージ) 京都大学の薬学薬理学研究室でいわゆる脳内モルヒネの探索を行い、エンケファリン発見は逃したものの、その遊離誘発を示す鎮痛ペプチド キョートルフィンの発見を行い、学位を取得した。この経験は若い学生に勇気づけるもの大で、「優れた研究は世間でキチンと評価される(Reward報酬)」ことを自分の経験で理解できた。以来四半世紀、あの夢をもう一度といろいろとチェレンジしてきたが、その夢叶い、慢性疼痛の分子機構解明研究について、昨年久しぶりにNature Medicine掲載をものにした。NHK「おはよう日本」でも放映され、やっと勢いづいて来たかなというのが現在の素直な心境です。私だけかも知れませんが、研究室の若者とともに、つばを飛ばしながら、次々と新しい技術開発や魅力的な発見を語り合っているときが一番幸せだと感じています。麻薬とも関連が深いことから、この心境は麻薬精神依存(Addiction)に見られるRelapse(再燃)現象であるのかも知れません。 さて、私の研究室では、痛み研究はもとより、オピオイド依存に伴う神経回路の可塑性を可視化するという大きなプロジェクトが走っています。まだ完成版を報告するには至っていませんが、世界中から共同研究の依頼が殺到しています。モルヒネ受容体遺伝子プロモーターの下流に経シナプス蛋白質と蛍光蛋白質遺伝子を繋げて、脳局所に遺伝子導入する方法は技術的に難しいところがありますが、様々な工夫を行うことにより私の研究室ではうまく働き、興味ある知見を得ています。成熟動物脳において麻薬依存時に新しい神経投射が形成されることは、これまで麻薬依存の分子機構解明が遅れていた理由を説明できるかも知れません。この他に脳卒中を抑制する蛋白質の発見やそのネクローシス抑制に関する作用機構解明に関する研究は沢山の研究費を費やしてきただけに、大変愛着があり、子供を育てるような気分で研究に臨んでいます。最後に、本領域と関連の深いテーマとして、神経ステロイドによる高次脳機能調節の分子機構解明があります。核内受容体以外に細胞膜、細胞内オルガネラに対する新しい分子標的を見いだし、その解析を精力的に行っています。研究に関する業績や詳しい情報は上記ホームページを訪ねてみてください。 |
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(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性) In vivoエレクトロポレーションによる脳局所遺伝子導入 レーザーマイクロダイセクションシステムによる単一細胞遺伝子解析 特定分子発現細胞に端を発する神経回路の可視化技術 種々の慢性痛動物モデル作成、細胞組織化学的、行動薬理学的評価技術 薬物依存の細胞組織化学的、行動薬理学的評価技術 脳、網膜虚血とその細胞組織化学的および機能解析技術 神経、グリア細胞の初代培養、SEM, TEM電子顕微鏡による形態観察技術 |