(所属領域)  5領域    

(氏名)    加藤忠史      

(所属・職名)

理化学研究所 脳科学総合研究センター 

精神疾患動態研究チーム チームリーダー                        

(電話)

048-467-6949

FAX

048-467-6947

(E-mail)

kato@brain.riken.jp

URL

http://www.brain.riken.go.jp/labs/mdmd/

(メッセージ)

 元々、無意識とは何か、こころとは何か、という研究をしたいという動機で医学部を志望しました。精神科に入局して、躁うつ病(双極性障害)の患者さんたちと出会ってからは、その原因を探求する研究に取り込んできました。

当初は、磁気共鳴スペクトロスコピーで脳代謝を調べていましたが、こうした研究だけでは病態解明は困難と感じ、分子遺伝学や細胞内カルシウム測定などの研究を始めました。

2001年に理研BSIに移ってからは、これらに加え、DNAマイクロアレイ、エピジェネティクス、モデル動物などのさまざまな手法を用いて、躁うつ病の原因解明を目指しております。

ここ数年の分子生物学的なアプローチによる研究は、まだまだ「こころ」から遠いようにも感じられますが、いずれは躁うつ病の原因を通して、感情の分子メカニズムにも切り込めるのではないかと思っています。

何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

参考論文

Kato T (2005) Mitochondrial dysfunction in bipolar disorder: from 31P-magnetic resonance spectroscopic findings to their molecular mechanisms. Int Rev Neurobiology 63: 21-40.

Iwamoto K, Bundo M, Yamada K, Takao H, Iwayama Y, Yoshikawa T, Kato T. (2005) DNA methylation status of SOX10 correlates with its downregulation and oligodendrocyte dysfunction in schizophrenia. J Neurosci. 25: 5376-81.

Kakiuchi C, Iwamoto K, Ishiwata M, Bundo M, Kasahara T, Kusumi I, Tsujita T, Okazaki Y, Nanko S, Kunugi H, Sasaki T, Kato T (2003) Impaired feedback regulation of XBP1 as a genetic risk factor for bipolar disorder. Nature Genetics 35: 171-175.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

 神経科学的な技術に関しては、教えていただくばかりで、さしたるものはありませんが、当チームには、DNAメチル化、RNA編集などエピジェネティクス研究を得意とする岩本和也基礎科学特別研究員、母性行動の専門家である黒田公美基礎科学特別研究員など、神経科学の中では比較的毛色の変わった知識と経験を持つメンバーがおります。また、ヒト死後脳の遺伝子発現解析については、経験の蓄積があります。

 現在解析中の「躁うつ病モデルマウス」については、準備が整い次第、早く公開したいと思っております。