分子精神医学研究チーム(20054月)

(所属領域)   第五領域・公募班員

(氏名)     池田 和隆

(所属・職名) 東京都医学研究機構・

東京都精神医学総合研究所

   分子精神医学研究ディレクター

(電話)

03-3304-5701

FAX

03-3329-8035

(E-mail)  ikedak@prit.go.jp

(URL)

http://www.prit.go.jp/Ja/PTokyo/

TMolecpsy/index.html

(メッセージ)

 統合脳の班員に選ばれたことを光栄に思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 快情動発現メカニズムの解明を目指して研究を進めていて、最近では特に、鎮痛と薬物依存の分子メカニズムを中心に研究しています。日本は先進国の中で最も一人当たりの鎮痛薬使用量が少なく、疼痛治療の後進国といわれています。鎮痛のメカニズムを研究することで、情動発現メカニズムの理解を進めるだけでなく、適切な疼痛治療の普及に繋がればと思っています。また、日本では受刑者の3分の1が覚せい剤取締法違反者であり、その他の犯罪の温床を作り出していることからも、薬物乱用は極めて深刻な社会問題です。薬物依存の病態解明を通して、薬物乱用問題への取り組みに貢献したいと思っています。

 統合脳5領域には日本の優れた脳科学者のほとんどが参加しているので、ディスカッションを楽しみにしています。また、新たな連携ができることと期待しています。

<関連論文>

(1)       Ikeda K, Ide S, Han W, Hayashida M, Uhl GR, Sora I, How individual sensitivity to opiates can be predicted by gene analyses. Trend Pharmacol Sci (2005) 26: 311-317.

(2)       池田和隆, 山本秀子, 高松幸雄, 原口彩子, 梅野充, 妹尾栄一、 覚せい剤依存治療に向けた新展開. 精神医学 (2004) 46:893-898.

(3)       Ide, S, Minami, M, Satoh, M, Uhl, GR, Sora, I, Ikeda, K, Buprenorphine antinociception is abolished, but naloxone-sensitive reward is retained, in mu-opioid receptor knockout mice. Neuropsychopharmacology (2004) 29:1656-1663

(4)       Ikeda, K., Kobayashi, T., Ichikawa, T., Kumanishi, T., Niki, H., and Yano, R., The untranslated region of μ-opioid-receptor mRNA contributes to reduced opioid sensitivity in CXBK mice, J. Neurosci., (2001) 21: 1334-1339.

(研究室で有する実験技術・リソースとその公開の可能性)

 依存患者を対象とした依存重症度評価尺度を開発し、一部はホームページで公開しています。尺度実施のトレーニングも行っていますので、お気軽にご相談下さい。

その他に、以下の装置を用いた分子生物学的、生化学的、行動薬理学的実験技術がありますが、こちらはかなり実験予定が立て込んでいる状況です。ご関心がある方はどうぞお問い合わせください。

<研究室の主な機器・設備>

P2実験設備、16本キャピラリー式シーケンサー、PCR(3台)、共焦点顕微鏡、核酸自動抽出機、アフリカツメガエル卵母細胞実験設備、レセプター結合実験装置、ペプチド合成装置、成体脳遺伝子導入装置、液体クロマトグラフィー、マウス用脳内自己刺激試験実験装置(2Ch)、マウス用薬物条件付け場所嗜好性試験装置(6Ch)、マウス・ラット用マイクロダイアリシス実験装置(3Ch)、マウス用テールフリック鎮痛効果測定装置、マウス用ホットプレート鎮痛効果測定装置、マウス用ランダルセリット鎮痛効果測定装置、マウス用テールサスペンジョンうつ試験装置(4Ch)、マウス用学習性無欲試験装置(2Ch)、マウス・ラット用オープンフィールド試験装置(2Ch)、マウス用移所運動量測定装置(20Ch)、マウス用薬物自己投与試験装置(4Ch)、ヒト用圧痛計(4台)