【課題14:大脳皮質細胞からのシナプス電流記録】

 大脳皮質は、多様な神経細胞から成り立っていますが、それらが相互に連絡し、シナプスを介して情報の伝達・処理を行っています。脳の機能を理解する上で神経回路の構造を知り、基本的な情報伝達・処理の仕組みを電気生理学的、組織学的に調べることも重要と思われます。
 今回の実習では、大脳皮質のスライス標本を作製し、神経細胞からのパッチクランプ法によるシナプス電流の記録とその解析法を紹介します。約3日間の実習期間の中で、パッチクランプ法が脳研究にどのように使われているのか、実験のシステムはどうなっているのか、そして具体的にどのようにして実験を行うのかを、脳スライス標本の作製からシナプス電流の記録、解析の方法を学ぶことによって習得することを目標としています。また、希望される方には、標識物質を注入し、記録した皮質細胞の形態を観察する技術も紹介します。